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side咲桜36

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「咲桜ちゃんは、まだ子供だからかねえ、芯が強いのに鎧(よろ)っているものがスカスカなんだよ。少し叩いたらボロボロ崩れるの。在義さんは芯が強いし、鎧っているのも丈夫だ。龍さんもいる。咲桜ちゃんが在義さんを目指すとかそういうのは置いておいても、りゅうはその部分、補って余りある。けど、こうやって一人で闘うときね? もう少し、捨て身でない方法を学びなね」

「………捨て身でない?」

私は眉を寄せた。

捨て身で闘わなくてどうする。

「そう。咲桜ちゃんの周りには、こうやって咲桜ちゃんが傷つくのイヤな子いるんだから、もっと自分を護りながら闘いなってこと。他人に護られながら闘うなんて、咲桜ちゃんはなんかやでしょ?」

だから、自分で自分を護りなよ。

「………」

啖呵切って返り討ちにされた。

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