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side咲桜29
しおりを挟む「……私が、何か出来るわけじゃないんだ。流夜くんが、降渡さんたちと一緒に生満子さんたち、説得するって」
「え――それって……先生として、………」
じゃない、ということには、笑満もすぐ気づいたようだ。
私が出した人物の名前で。
教師と私立探偵が関係あるとは、どう話しても一生徒の進路相談には持って行けない。
まさか、明かす気? 笑満の表情が揺れる。
流夜くんが隠しているものを、私から教えられている笑満からすっと色が消えた。
「……どういう手で話すかは、わからないけど……降渡さんと吹雪さんも呼ばれたって聞いた」
それは、笑満の両親が否定した遙音先輩の進路の先を歩く三人。
「だ、だめだよっ。お父さんたちがバラすとかそういうのはないって思うけど、あたしなんかの所為でそんな大事なこと――
「笑満。違う。今の問題は、遙音先輩。先輩の進路。それで、降渡さんと吹雪さんと――流夜くんは、遙音先輩の親代わりだよ。自分たちでそう認識してる。遙音先輩の導き手としても、今まで遙音先輩が三人の方へ行くことを、否定も拒絶もしなかった」
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