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四 誤解
side作之助6
しおりを挟む眉根を寄せて難しい顔をする由羽に、なんとかわかってもらおうと俺は言葉を探した。
昨日の水都さんの父様は表すなら……
「イメージで言うなら牙を剥いて鎖を千切った大型犬……? 逃げだしたら警察が探すようなレベルの。見つけても近づかないくださいってテレビで言う感じ……?」
「怖すぎだわ。余計想像できなくなっちまった」
由羽は平坦な目をして言った。今の説明では逆効果だったか……。
普段の水都さんの父様ってどんな人なんだろう。
威嚇されたの俺だけなの? あ、玲哉はどうなんだろ。
「玲哉は大丈夫だったの?」
水都さん、玲哉のことすきだったんだよな?
俺が問うと、由羽と景は一度顔を見合わせてからお互い明後日の方を見た。おい。
「訊いちゃだめなやつだった……?」
確か玲哉には彼女さんがいたはず。
「あー……うん……まだ俺らの間では消化しきれていないって言うか……」
「ごめん。もう言わないようにする」
簡単に触れてはいけないやつだったか。
景に慌てて返すと、「気にすんな」と言ってくれた。
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