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三 嫉妬

side水都10

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――え?

鞄から挑戦状を取り出そうとした瞬間、身体が宙に浮いた気がした。

「作之助」

総真くんの声で、わたしが今作之助に抱えられていることに気付いた。

「さ、作之助! 離して! わたしはこれから総真くんに――」

「いいから! ちょっと黙ってて! 総真ごめん。あとで説明するからこの場は見逃して!」

作之助は言うなり、わたしを抱えたまま駆けだした。

俵(たわら)担ぎで。

背中と足を押さえられていて、わたしの視界に映るのは作之助の背中だ。

作之助は容赦なく走るから、わたしとしては超高速で後ろ走りしているみたいなものだ。

風景がおかしい。

「作之助!」

「黙っててって言ったろ」

いやいやいや! 滅茶苦茶注目浴びまくってるからね!? 長身の作之助の頭より高い位置にわたしの目があるから、とんでもなく地面が遠い。

走った作之助は途中にあった公園に入って、ベンチにわたしをおろした。

「ごめん、ちょっと水都さんのクラスの人に助けを求められたから出張った」

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