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side遙音4
しおりを挟む「……さ、咲桜だってちゃんと神宮のことすきだよな? 笑満ちゃん」
日義の最後の方の言葉に不安になって、首だけ振り向かせた。
「咲桜は女の子恋愛対象ではないですよ。男前過ぎて女子に憧れられはしますけど。でも頼がそこまで落ち込むとは思わなかったよ」
「んー……なんかこのままいけば、咲桜って俺と付き合ってるような気がしてたんだよなー……惰性で」
「それは咲桜にも自分にも失礼なこと言ってんぞ?」
指摘すると、日義は空気でも抜けたようにベンチに腰をおろした。
「俺、咲桜のことすきだったのかな……」
「知らねーよ。あとそれ、憶測でも神宮には言うなよ」
あの咲桜バカが聞いたら、日義のことをツブしにかかってきかねない。
うなだれている日義を見下ろして、俺は警戒を解かない。
神宮のところに行ったって……あとで無事だったか訪ねに行こうか。
「……ごめん、笑満。今だけ慰めて」
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