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五 一緒にいるんだから、頼れよ。

side咲桜33

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「あれ? でも夜って言ったら夜々さんも……」

「それは言わないでくれ。俺も途中で気づいて必死に掻き消したことだから」

……流夜くんの顔色は一気に悪くなる。

どれだけ夜々さんと険悪なんだろうか。

「う、うまくいかない……」

ネックレスなんて初めてで勝手がわからない。

まごついていると、流夜くんの手が伸びてつけてくれた。

首元に収まった桜と月。

「……大丈夫か? 気分悪くないか?」

まだ心配してくれる流夜くんに、首を横に振った。

気分の悪さなんてないし、あるのは嬉しさだけだ。

あれほど、首になにかが触れるのだけでも怖かったのに。

……やっぱり、幸せな方に変えてくれたのはこの人なんだ。

「ありがとう。宝もの」

「………」

私の嬉しがりように安堵したのか、流夜くんは微笑んでくれた。

大事なものも、ことも、一日ごとに増えていく。

残酷なんて世界のどこにだって転がっていると言った流夜くん。

私もそうだと思っている。

けれど、それと同じ――それ以上に、幸せはあふれているのかもしれない。

大すきな人が今、傍にいてくれるように。

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