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四 ……求婚は、ちゃんとするから。
side咲桜10
しおりを挟むお礼を言いたいのはこっちだよ。
流夜くんの存在一つで、私も色々変わってしまった。
……幸せな方に、変えてくれた。
素っ気ない鍵を両手に包んで、咲桜はしばらくそれに見入っていた。
昼休み、旧館で渡された合鍵。流夜くんの部屋のものだった。
家に帰って、キーホルダーをつけてみた。
ずーっと前、まだ桃子母さんがいたころ三人で出かけた先で買ってもらった、桜のモチーフがついたキーホルダー。
大事な時間の思い出がつまりすぎて、大切過ぎて、今までどこにもつけることが出来なかった。
けど、この鍵に、桜はやっと落ち着いたようだ。
次の日曜日、一緒に出掛ける約束をした。
最後まで『デート』という単語は口に出来なかったことが情けないけど、一日、一緒にいられる日が待っている。
楽しみすぎる。
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