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四 ……求婚は、ちゃんとするから。

side流夜23

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いつからすきだったのか。考えてみた。

見合い事件の日まで(俺の中では事件扱い)、華取咲桜はただの生徒だった。

俺たち三人にとって恩人の一人である華取在義さんの愛娘。

それは知っていたので、私情を挟んでは関わらないようにしていた。

いち生徒と親しくなるのは面倒だったし、自分が関わる面倒ごとに巻き込むのも嫌だった。

学校での印象は、活発だけど大人しい子、だった。

背は平均より高く容姿は大人びている。

派手ではなく落ち着いた雰囲気。

私服だったら社会人でも通用するだろう。

それだけだった。

見合い事件の場で華取咲桜を目にして、愛子を殴りたいくらい驚いた。

なんでよりによって生徒を連れてくるか、このトラブルメーカーは。

縁談を断らないが、受けもしないを提示した段階では、本当にただの利害一致の協力者でしかなかった。

お互い、愛子関係の面倒は避けたいというそれだけだった。

なのに。

愛子の口から、咲桜は権力的利用価値があると聞いて頭の中のどこかが変わった。

心の中のどこかかもしれない。

とにかく、華取咲桜がそんなことに利用されるのはゆるせなかった。

この子が心無い思いをするのが嫌だと思った。

――この時点でもう、俺にとっては『咲桜』だったのだと思う。

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