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side羽咲4
しおりを挟む「あ……うん」
ですよね。クラス中から、訊け! みたいなオーラ感じるし……。
「碓氷会長と付き合ってるの? ……って、訊いても大丈夫?」
「大丈夫だよ。うん、総真くんとお付き合いしてます」
「総真くんって呼んでるのっ? 同中とか?」
あ、そっか。今日から碓氷先輩なんだった。
「親同士が仲良くて、幼馴染だったの」
「そうなんだー。すっごいお似合い。あ、部活は決めてる? あたし、また空手部に入ろうと思ってるんだけど……」
彩加ちゃんは、私の机に手を乗せてしゃがんで話し出した。
よかった……彩加ちゃんとは親しいってほどではなかったけど、自然に話せる。なんか唯浜みたいな感じ。
「あ、ありがとう……。私も空手部にするつもり」
「よかったー! 羽咲が一緒なら心強いっ」
「ふふ。彩加ちゃんと話すの楽しいね」
「そう? ってか羽咲、見た目とは裏腹なクール系かと思ってた」
それはまた総真くんの評価とは真逆ですな。
「あ……はは。試合で暴れまくってたからだよね……」
「試合のときの羽咲、本気で怖いもん。あ、勿論いい意味でね? そういえばいつも応援に来てた可愛い子は? 別のクラス?」
それは水都ちゃんのことだな。水都ちゃん、大会になるといつも来てくれてたから。
「水都ちゃんは別の高校だよ」
「ここじゃないんだ。親友と離れちゃって淋しくない?」
「淋しいけど……ここに入るのは、中一の頃からの目標だったから」
総真くんと同じ学校、って。
「水都ちゃんとはいつでも逢えるから。呼べば来るし、呼ばれたら行く」
最後を強調して言うと、彩加ちゃんは平坦な目になった。
「なぜ急に真顔。あーでも、ほんと羽咲いてよかった。よろしくね」
「うん、こちらこそ」
初日から話せる子がいて安心していた。
今日は入学式とホームルームだけで終わり。
そしてまた爆弾が飛んできた。
「うー、帰るよー」
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