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七 ありがとう

side総真19

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お互い言葉はなく、なんとなく歩き出す。

昨日の玲の態度を責めるわけにはいかない。玲と水都、どちらかに非がある話でもない。

……かと言って、この状況でどう話しかけていいかもわからない……。

無駄に付き合い長いせいか、ものすごくわからない……。

こう、なにもなかった風を装っていいものなのか? 教えて由羽!

脳内で助けを求めていると、少し離れた隣を歩く玲が「あのさ」と口を開いた。

「お!? あ、ああ!?」

びっくりして声が上ずって脅しかけてるみたいになってしまった! ただ返事しただけなのに!

「ごめんお前がそこまで怒るとは思ってなかった……」

しまったああ! 玲が怯えてる! 僕を見る玲が明らかにびくびくしていた。

「ちがっ、怒ってるない! ちょこっとびっくりしただけ!」

顔の前で両手をぶんぶん振る。玲は口の端が引きつっている……。

「あ、そう……混乱させてるのはわかった……」

「いや! 玲悪いない!」

「……とりあえず落ち着け? 会話出来ないから」

「あ、ああ」

そうだ落ち着け。ここで僕が取り乱したところで何にもならないどころか意味わからん。

「……昨日の、総真なら怒ると思ってた」

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