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七 ありがとう
side羽咲12
しおりを挟む……今日は水都ちゃんをあの家に一人にしておきたくなくてうちへ連れて来たけど、水都ちゃん的にはどうなんだろう……。
泊まったのが司の家だから、藤沢の家の人にとやかく言われることはないと思うけど……ちょっと心配だな。
水都ちゃんのお父さんに、明日の朝謝っておこう。水都ちゃんのお父さんは怒らないだろうけど……うん。
「……羽咲ちゃん、寝た?」
水都ちゃんが、ささやくように声をかけてきた。
「起きてるよ?」
返しながら、水都ちゃんの方を向く。
「……今日、ありがとう」
薄明りの中見える水都ちゃんは、私とは反対を向いていた。
「うん。お母さんのご飯美味しいよね」
「それもだけど……羽咲ちゃんから言われたとき、ちょっと迷ったんだ。……ひとりで泣いた方がいいのかな、って……」
「……うん」
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