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六 うーに近づくな
side総真25
しおりを挟む「あのとき、想さんと美結さんが帰って来て、総真くんも寝たから、私もお暇しようと思って部屋を出ようとしたの。そうしたら……」
「……そうしたら?」
心臓がドクドクいっている。なんか頭も痛い気がしてきた。
でも、ちゃんと聞かなくちゃ。うーの可愛い唇が、小さく動く。
「『うー、すきだよ』って、言ったの。総真くんが」
「え………」
僕が見ているうーの横顔は、首から耳まで真っ赤だ。
僕は僕で全身が真っ赤になっている自覚がある。
「ね、寝言だってわかってるよ? でも、総真くんが『まだ言えない』って言ったことを、私がこんな形で聞いちゃっていいのかなって思って。それに、その……直接的な言葉を本人の口から聞くのは、破壊力があると言いますか……。それで、どう反応していいかわからなくなって、咄嗟に手を振り払ってしまいました……。ごめんなさい」
「いや、全然うーは悪くないから、この件では二度と謝らないで。全部俺に非がある」
うーの気持ちをわずわせたのも、僕がうだうだしていたからだ。
――はっきりしろ!
「うー、誤解解くために色々説明する前に、一つだけ言わせて。……俺は、うーが好きだよ。本当に、どうしようもないくらい、うーが可愛くて仕方ない」
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