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六 うーに近づくな
side羽咲20
しおりを挟む想さんは、マンガだったら「ガーンッ」と効果音がつきそうな顔になった。
「……美結が冷たい。結婚して時間が経てば夫より娘のが可愛くなるんだ……」
ありゃ。想さんが拗ねちゃった。
こういうのどう慰めれば――と言うか、私のことさらりと娘って言った? 美結さんが片手を腰にあてて、想さんに向かって厳しい顔をした。
「女々しいこと言わない! 想は私の男でしょうが! 想をカッコいいと思って来たけど可愛いと思ったことはないよ!」
「!!!!」
美結さんの大胆過ぎる宣言を聞いて、想さんはぱあっと顔を輝かせた。
「美結愛してる―――!」
「――だからうーの前でヘンなことすんなって言ってんだろバカ夫婦!」
想さんが美結さんに抱き付くと同時に、総真くんがリビングにやってきた。
「あら、総真起きちゃったの?」
想さんに抱き付かれたまま、総真くんの方を向く美結さん。
パッと見、想さんの一方通行に見えがちなご夫婦だけど、告白は美結さんからしたんだとか。
「寝てたっつーか意識なくなった感じで。気づいたらうーがいなかったから探しにきた」
やっぱり起こしちゃった!
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