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六 うーに近づくな

side羽咲16

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「羨ましいか? 二人にしてやるけど、お前風邪ひいてんだから何かしたら駄目だからな?」

「なんてこと言うの! さっさと行くよ!」

美結さんに怒られた想さんは、「羽咲、あとで昼飯持ってくるからな」と、私の頭を軽く撫でて、美結さんに連行されていった。

……うーむ。毎度のことながら嵐のようなご夫婦だ……。

「うー。ここ座って」

「? うん」

起き上がったまま、ベッドに座った格好の総真くんに言われた通り、位置を変えてベッドの下に座り直す。

するといきなり髪の毛をかき混ぜられた。

「総真くん?」

「駄目だろ、想なんかに触らせちゃ。ど天然菌がうつる」

「………」

それ、総真くんが既に罹患(りかん)しているやつでは……。

「うつらないよ、そんなの」

「駄目。うつる。最悪、うーを失う」

「ど天然菌で死ぬの!?」

致死毒だったの!? そんなわけあるか、と思いつつ、総真くんが真剣だから笑うことは出来なかった。

「……あの、総真くん?」

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