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六 うーに近づくな
side羽咲12
しおりを挟むなんとまあ。
「嬉しい。ありがと」
熱マジックだろうけど、そんな言葉をもらったら浮かれちゃうよ。
ほら、マスクをしていたってわかるくらい、にやにやが止まらないよ。
食べ終えたカップとスプーンを渡してもらって、失礼だけど床に直接置いちゃう。
次お部屋出るとき一緒に持って行こう。
「……うー」
「うん?」
「手、貸して?」
「……うん」
そっと右手を出すと、総真くんの右手が握って来た。手も、けっこう熱かった。
「ありがとう、うー」
「どういたしまして」
微笑む総真くんを見ていると、ドキドキするけど、一方ですごく安心感もあった。
総真くんが今、ここにいてくれる、と……。
―――
「ただいま……羽咲、来てるんだって?」
「想さん、おかえりなさい」
お昼を過ぎて、そっと想さんが部屋に入って来た。
小声で応対するとそれで察してくれたのか、音を立てないようにベッドの脇までやってきた。
総真くん、熟睡中だ。
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