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六 うーに近づくな
side総真3
しおりを挟む「……さっさと告白してやれよ」
「それはそれ。俺とうーの問題ですから」
――害虫駆除、完了。
黙り込んだ会長を残して、先に生徒会室を出た。
教室に向かう道すがら、このネタ使っちゃったし、新しい脅しネタ、どっかで拾っておかないとなー、とか、つらつら考えていた。
――――
「うっ……ううっ……」
後ろが果てしなくうざい。
「桑島―? なんで一年の教室にいんだよ。しかもなんで藍田に抱き付いてる?」
担任の先生がすごく困った顔をしている。
僕の後ろの席の玲に抱き付いて泣いている会長がいた。
ホームルームが始まる前に駆け込んできて、玲をロックオンすると抱き付いて泣き出した。
……この人ほんとに先輩かな……。
体をねじって後ろを眺めていると、先生に咎められた会長が僕を指さしてきた。
「こいつが滅茶苦茶怖いんですよ! 玲哉どうにかして!」
……ごめん、玲。またとばっちりを……。
しかし生まれた時からの幼馴染、さすがと言うか、既に受け流す体勢に入っていた。
「あー、何があったか知りませんけど、総真に敵対されたらもう終わったと思ってください」
「後輩が揃いも揃って非道い! 玲哉~せめて慰めてよ~」
……この人ほんとに年上かな……。更に玲に抱き付いたよ。
「……藍田、悪いけど桑島がうるさくて進めらんないから、保健室にでも投げてきて」
「……了解しました」
先生に言われて、ため息をつきつつ玲が席を立った。
「俺も行こうか?」
僕が名乗りあげると、会長はあからさまに肩をはねさせた。
「いい。これでお前連れて行ったら、俺が会長に絞め殺されそうだよ」
「迷惑かける」
「自覚してんなら自重もしろ」
まだ嗚咽をあげる会長をひきずって(会長が玲に抱き付いたまんまだから、玲が歩けばひきずられてついていく恰好だ)、玲が教室を出た。
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