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六 うーに近づくな

side総真2

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そこに写っているのは、学内の一角にいる、会長と数人の友人。

年齢的によろしくないことをしている証拠写真だ。

「こ――こんとき以外やってないって! 興味本位で――」

「関係ないんですよ」

出来るだけ冷えたように聞こえる声を押し出した。

けれど、表情は笑顔で。

「あんたが警察沙汰になろうが、俺にはどうでもいい。しょっぴかれんなら勝手にしょっぴかれてろよ。俺はあんたにお願いしているんですよ? この写真あげるからうーに関わるなって」

「………」

会長の顔が、明らかにこいつやべー奴だって言っている。

うーにも言ったけど僕、うーに関してはかなりやばい奴だって自覚あるよ。

うーに男を寄せ付けないために他人を脅すことに抵抗が欠片もないくらいには。

「……写真ってことは、データはお前が持ってるってことだよな?」

さすが、生徒会会長職に抜擢されるだけはあるか。

さっきはパニックになったようだけど、すぐに立て直してきた。冷静さは持っているようだな。

僕は、顔は笑顔を保った。

「ですね。データも欲しかったらあげますよ?」

「……何と引き換えに?」

警戒心爆発って感じだな。

今まで見たことないくらい神経を張った顔をしている。

「そんなん要求しませんよ。タダであげます。また脅す必要があったら、別のネタ掴むから」

「……お前、怖すぎるんだけど……」

……それをあんたが言うか。

「そういう奴を生徒会(ここ)に引き込んだのは会長ですよ? で? お願い聞いてくれます?」

「……データごとくれるんなら、お前の幼馴染に近づいたりしないよ。もともと、一目惚れとかしたわけでもない……確実に気があるってわけでもない奴を遠ざけるためにこんなの持ち出すってお前……」

「うーに近寄る男は総て害虫ですから。排除します」

僕はもう、うーに僕以外の男が近寄ることを許すことが出来ないくらい、うーしかダメだってわかってる。

会長は恐る恐るといった感じで僕に向かって手を出してきた。

――交渉成立。

僕は、ポケットに入れていたデータカードを会長に向かって投げる。

空中でキャッチした会長は、苦虫を噛みまくっているような顔でボソッと言った。

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