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四 うーに謝らせてくださいっ!
side総真11
しおりを挟む女の子だとわかって、みんながその誕生を待ち望んでいた。
うーから名前をもらって、『咲羽』と名付けて。
けれど咲羽は生きるには力が足りなくて……咲雪さんのお腹の中で、天使になってしまった。
咲雪さんの憔悴は激しくて、精神的にやつれてしまい入院することになった。
美結や琴さんが病院につきっきりになったり、海外にいることの多い凛(りん)さんも帰国してずっとこちらにいたくらいだ。
晃さんが咲雪さんの傍につくために、由羽とうーがうちにいた時期もある。
咲雪さんのご実家はすぐ隣で晃さんのご実家も近いけど、ご両親たちにも咲雪さんと晃さんのフォローをしてもらった方が……と、想と美結が提案したらしい。
由羽もうーも、妹が儚くなったことはわかっていた。
けれど、由羽もうーも、一度も泣いたりはしなかった。
二人が来る日、美結は真剣な顔で僕に言って来た。
『総真、今日から由羽とうーちゃん、しばらくうちにいるからね』
『うん。俺も二人のそばにいる。だから美結は咲雪さんの心配してあげて』
『……ありがと、総真』
僕は出来るだけ、うーの傍にいるようにした。
そうすると、由羽は僕らの傍にいたから。
元気はつらつなうーは口数も少なくなって、その頃お気に入りだったぬいぐるみを、ずーっと抱きしめていた。
由羽はこの頃からダウナー入っていたから、テンション的にはそれまでと差はないように見えたけど、沈んでいるのはわかった。
二人がうちに来た最初の日。
和室に布団を敷いて、三人で寝ることになった。
豆電球をつけてうーを真ん中にして川の字になって、僕はうつらうつらとし出した。
夢うつつの境で、小さなうーの声を聞いた。
『おにいちゃん……さわちゃん……どこ?』
由羽の方に体を向けているうーが、由羽にしがみついてそう言っていた。
うーの頭を撫でようとして僕がうーの方に手を伸ばすと、由羽が目線で遮って来た。
『咲羽は、ちゃんといるよ』
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