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二 総真くん総真くん総真く(∞
side由羽2
しおりを挟む「いつもは総真がいるとこじゃ騒がないのになあって思ってたら、そういうことか」
『羽咲ちゃん、総真くんを大好き過ぎるんだよねえ』
羽咲は『好きすぎて近寄れない』スキルを発揮するときがある。
俺にはよくわからんけど、父さんにはよくわかるらしい。
今日の総真の異変は結局なんだったのか……羽咲がほしいんだったらオマケつけてくれてやるけど。机に転がってるシャーペンでいいかな。
てかさ。
ほしいと思う、とか、恋愛感情直結じゃねえの?
羽咲が総真を好きなのは見ててハッキリわかるんだけど、総真が羽咲を好きだと言ってもそれは、妹のような位置に見ているからか、それとも自覚していないだけで恋感情なのか……めんどくせ。さっさと答えを出してほしい。
「心配かけたな」
『ううん。わたしの所為だし……何もなかったらよかった』
……何もなくは……ないんだけどな。
けれど、ほっとした様子の水都に言い返すのも難だろう。
「じゃあな」
『うん、おやすみなさい』
電話を切って、少し中空を見つめた。
藤沢の家の中で、水都の立場は複雑だ。
そのせいか水都は、巽さんや琴さんに似ていると言われると喜ぶ。水都は両親が大好きだから。
ベッドに身を投げ出す。
最終的には父さんが引き受けてくれたけど……明日の朝まで、羽咲が犯罪をしませんよーに………。
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