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6 ライバルはキミだけ
side想4
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部活も終えて、新垣と待ち合わせをしている尚とは更衣室で別れる。
僕は美結とは校門辺りで落ち合うことになっているから、美結を待たせたくなくて尚より先に更衣室を飛び出した。
美結はまだいなくて、一つ安堵の息をつく。
あまり美結を一人にしたくないから、美結を待たせることはしたくないんだ。
いつも通り待っていると、部活を終えた生徒が帰って行く。
クラスの奴や知り合いの先輩が通ると、また明日、と挨拶だけする。
「碓氷くんっ」
美結はまだかなーと、ぼうっと突っ立っていたところを呼ばれて、振り返るとクラスの女子が三人いた。
「あ、お疲れ。またね」
僕はそれだけで会話は終わりにするつもりだったんだけど、三人は動こうとしない。なんだ?
僕が何も言わずにいると、一人が口を開いた。
「あのさ、碓氷くん。紗苗(さなえ)、今回のテストで三位だったんだ」
「? ああ、そうなんだ」
クラスメイトだから一応顔と名前は一致するけど、順位までは把握していなかった。
僕がそれだけ返すと、木崎紗苗(きざき さなえ)が一歩進み出た。何故僕に近づく。
「み、美結ちゃんより上って初めてだったんだっ」
「………」
悪かったな。美結は今回、僕のせいで成績落としたんだよ。
「だから、その……ずっと、美結ちゃんより上になれたら言おうと思ってたんだけど……あたしじゃ……だめかな?」
部活も終えて、新垣と待ち合わせをしている尚とは更衣室で別れる。
僕は美結とは校門辺りで落ち合うことになっているから、美結を待たせたくなくて尚より先に更衣室を飛び出した。
美結はまだいなくて、一つ安堵の息をつく。
あまり美結を一人にしたくないから、美結を待たせることはしたくないんだ。
いつも通り待っていると、部活を終えた生徒が帰って行く。
クラスの奴や知り合いの先輩が通ると、また明日、と挨拶だけする。
「碓氷くんっ」
美結はまだかなーと、ぼうっと突っ立っていたところを呼ばれて、振り返るとクラスの女子が三人いた。
「あ、お疲れ。またね」
僕はそれだけで会話は終わりにするつもりだったんだけど、三人は動こうとしない。なんだ?
僕が何も言わずにいると、一人が口を開いた。
「あのさ、碓氷くん。紗苗(さなえ)、今回のテストで三位だったんだ」
「? ああ、そうなんだ」
クラスメイトだから一応顔と名前は一致するけど、順位までは把握していなかった。
僕がそれだけ返すと、木崎紗苗(きざき さなえ)が一歩進み出た。何故僕に近づく。
「み、美結ちゃんより上って初めてだったんだっ」
「………」
悪かったな。美結は今回、僕のせいで成績落としたんだよ。
「だから、その……ずっと、美結ちゃんより上になれたら言おうと思ってたんだけど……あたしじゃ……だめかな?」
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