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4 すれ違い

side想2

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なんてアホなことを考えていた僕より先に、美結が動いた。
 
昼休み、尚より早く美結が新垣を連れ出した。

美結が僕の方に視線を向けて来たから、東輝と小唄には適当なことを言って僕も教室を抜け出した。

美結は、部活棟に新垣を連れて来た。

部屋は鍵がかかっていて入れないけど、廊下は人気がないから聞かれたくない話しをすることには問題ないだろう。

「玲奈、尚と喧嘩でもしたの?」

それにしては尚は普通だったけど……。壁に背中をつけた新垣は青白い顔で唇を噛みしめたあと、しゃがみ込んだ。

「れ、玲奈っ?」

美結も慌ててしゃがんで、新垣と視線を合わせる。新垣が小さく言ったのは、僕らには意外な内容だった。

「尚が女の子と一緒にいるの見ちゃった?」

「うん……。美結の中学と同じ制服だったから、後輩だと思うんだけど……」

「それって尚が浮気してるとか、そういう心配で元気なかったのか?」

「ちょ、想!」

「美結、いいの。……うん、碓氷くんの言う通り。尚に話しかけると女の子がたくさんいるのは知ってるから、そこまで傷付かないようにって心掛けてたんだけど……その子とは、尚、本当に楽しそうに話してて……。あの尚が全開の笑顔で女子と話してるんだよっ? 少なくとも私は、尚のそんなとこ見たことないから……」

「どんなヤツだ? 後輩なら俺らも知ってるヤツかも」

僕がたずねると、新垣は両手の拳を握った。

「すっっっごい! 美少女……だった……」

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