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3 邪魔者
side想6
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「美結、もう兄さん来ないから、大丈夫だから」
「……ごめん」
「謝ることじゃない」
うつむいたままの美結の頭を撫でる。すると、ふにゃっとした笑顔になる美結。
なんだ、この癒しの生物は。もはや美結からマイナスイオン出ているようにしか見えないよ。
「そ、想? 本当には、殴らないよね……?」
「美結が嫌がる事したら兄さんでも殴るよ?」
余裕で。
僕が笑顔でそう告げると、兄さんは顔を引きつらせた。そして一歩後ずさった。
「そんな……手に塩をかけて育てて来た想にそんなこと言われるなんて……」
胸のあたりまであげた両手を震わせる兄さん。おい。
「手塩にかけて、だろ。俺握り飯じゃないし。あと悪いけど俺は兄さんに育ててもらった憶えないんだけど」
僕が反論すると、兄さんはくわっと牙を剥いた。
「僕は育てた憶えあるよ! 想が美結のこと好きになるように色々仕掛けたんだから!」
「お兄ちゃん!?」
「何やってんだあんた!」
思わず美結と二人で怒鳴ってしまった。
「えーとね、まずは想が美結と二人きりになる機会を増やしまくったでしょ? 学校の当番とかも想と美結が一緒になるように、児童会長の職権乱用しまくって取り計らったり……」
「「………」」
え、そうだったの……? 全然知らなかった……。
「……ごめん」
「謝ることじゃない」
うつむいたままの美結の頭を撫でる。すると、ふにゃっとした笑顔になる美結。
なんだ、この癒しの生物は。もはや美結からマイナスイオン出ているようにしか見えないよ。
「そ、想? 本当には、殴らないよね……?」
「美結が嫌がる事したら兄さんでも殴るよ?」
余裕で。
僕が笑顔でそう告げると、兄さんは顔を引きつらせた。そして一歩後ずさった。
「そんな……手に塩をかけて育てて来た想にそんなこと言われるなんて……」
胸のあたりまであげた両手を震わせる兄さん。おい。
「手塩にかけて、だろ。俺握り飯じゃないし。あと悪いけど俺は兄さんに育ててもらった憶えないんだけど」
僕が反論すると、兄さんはくわっと牙を剥いた。
「僕は育てた憶えあるよ! 想が美結のこと好きになるように色々仕掛けたんだから!」
「お兄ちゃん!?」
「何やってんだあんた!」
思わず美結と二人で怒鳴ってしまった。
「えーとね、まずは想が美結と二人きりになる機会を増やしまくったでしょ? 学校の当番とかも想と美結が一緒になるように、児童会長の職権乱用しまくって取り計らったり……」
「「………」」
え、そうだったの……? 全然知らなかった……。
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