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1 好敵手

side想42

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……こいつの軽い態度を見ていて、何回止めてやろうかと思ったことか。

でも、一応こいつテストは毎回、学年で三位以内には入っているから結果は出ているんだろうな。

「ねー想。あんだけ告るの怖がってたヤツがなんかあったの? 急に美結ちゃんとつきあうとか」

むくりと起き上がった里宇がデバガメしてきた。にやにやすんな。

「なんかあってもお前には言わねーよ」

「えー、教えてよー。想の恋愛相談にも乗って来てあげたじゃん」

「………」

思い返してみたけど、こいつにそんなことしてもらった記憶はなかった。

「死ね」

通常運転で返すことにした。

「……なんで美結ちゃん、こんな態度最低なヤツに惚れたんだろ」

「お前へと同じ態度なわけないだろ、クソガキ」

「……想ってあたしだけに口悪いよね」

その自覚ならある。

「お前がいつまで経ってもバカな真似やめねーからだよ」

「残念、これはあたしのアイデンティティ」

「全部滅びた方がいいな」

こいつも昔は可愛……くはなかったな。昔からクソガキだった。

「問題、作っておくからお前はそろそろ寝ろ」

「はーいはいっと」

反動をつけてベッドから立ち上がると、里宇はそのまま出て行った。

なんなんだ? 里宇のやつ、今日はやたら噛み付いて来る――

……はっ。

今気づいたんだけど、もしかして里宇、美結のこと好きなんじゃ……………あ、なかったわ。あいつが好きな人、僕知っているんだった。

……さっさと問題作って、あとは美結のことばかり考えよう。

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