48 / 172
1 好敵手
side想42
しおりを挟む
……こいつの軽い態度を見ていて、何回止めてやろうかと思ったことか。
でも、一応こいつテストは毎回、学年で三位以内には入っているから結果は出ているんだろうな。
「ねー想。あんだけ告るの怖がってたヤツがなんかあったの? 急に美結ちゃんとつきあうとか」
むくりと起き上がった里宇がデバガメしてきた。にやにやすんな。
「なんかあってもお前には言わねーよ」
「えー、教えてよー。想の恋愛相談にも乗って来てあげたじゃん」
「………」
思い返してみたけど、こいつにそんなことしてもらった記憶はなかった。
「死ね」
通常運転で返すことにした。
「……なんで美結ちゃん、こんな態度最低なヤツに惚れたんだろ」
「お前へと同じ態度なわけないだろ、クソガキ」
「……想ってあたしだけに口悪いよね」
その自覚ならある。
「お前がいつまで経ってもバカな真似やめねーからだよ」
「残念、これはあたしのアイデンティティ」
「全部滅びた方がいいな」
こいつも昔は可愛……くはなかったな。昔からクソガキだった。
「問題、作っておくからお前はそろそろ寝ろ」
「はーいはいっと」
反動をつけてベッドから立ち上がると、里宇はそのまま出て行った。
なんなんだ? 里宇のやつ、今日はやたら噛み付いて来る――
……はっ。
今気づいたんだけど、もしかして里宇、美結のこと好きなんじゃ……………あ、なかったわ。あいつが好きな人、僕知っているんだった。
……さっさと問題作って、あとは美結のことばかり考えよう。
でも、一応こいつテストは毎回、学年で三位以内には入っているから結果は出ているんだろうな。
「ねー想。あんだけ告るの怖がってたヤツがなんかあったの? 急に美結ちゃんとつきあうとか」
むくりと起き上がった里宇がデバガメしてきた。にやにやすんな。
「なんかあってもお前には言わねーよ」
「えー、教えてよー。想の恋愛相談にも乗って来てあげたじゃん」
「………」
思い返してみたけど、こいつにそんなことしてもらった記憶はなかった。
「死ね」
通常運転で返すことにした。
「……なんで美結ちゃん、こんな態度最低なヤツに惚れたんだろ」
「お前へと同じ態度なわけないだろ、クソガキ」
「……想ってあたしだけに口悪いよね」
その自覚ならある。
「お前がいつまで経ってもバカな真似やめねーからだよ」
「残念、これはあたしのアイデンティティ」
「全部滅びた方がいいな」
こいつも昔は可愛……くはなかったな。昔からクソガキだった。
「問題、作っておくからお前はそろそろ寝ろ」
「はーいはいっと」
反動をつけてベッドから立ち上がると、里宇はそのまま出て行った。
なんなんだ? 里宇のやつ、今日はやたら噛み付いて来る――
……はっ。
今気づいたんだけど、もしかして里宇、美結のこと好きなんじゃ……………あ、なかったわ。あいつが好きな人、僕知っているんだった。
……さっさと問題作って、あとは美結のことばかり考えよう。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完結】婿入り予定の婚約者は恋人と結婚したいらしい 〜そのひと爵位継げなくなるけどそんなに欲しいなら譲ります〜
早奈恵
恋愛
【完結】ざまぁ展開あります⚫︎幼なじみで婚約者のデニスが恋人を作り、破談となってしまう。困ったステファニーは急遽婿探しをする事になる。⚫︎新しい相手と婚約発表直前『やっぱりステファニーと結婚する』とデニスが言い出した。⚫︎辺境伯になるにはステファニーと結婚が必要と気が付いたデニスと辺境伯夫人になりたかった恋人ブリトニーを前に、ステファニーは新しい婚約者ブラッドリーと共に対抗する。⚫︎デニスの恋人ブリトニーが不公平だと言い、デニスにもチャンスをくれと縋り出す。⚫︎そしてデニスとブラッドが言い合いになり、決闘することに……。
男女の友人関係は成立する?……無理です。
しゃーりん
恋愛
ローゼマリーには懇意にしている男女の友人がいる。
ローゼマリーと婚約者ロベルト、親友マチルダと婚約者グレッグ。
ある令嬢から、ロベルトとマチルダが二人で一緒にいたと言われても『友人だから』と気に留めなかった。
それでも気にした方がいいと言われたローゼマリーは、母に男女でも友人関係にはなれるよね?と聞いてみたが、母の答えは否定的だった。同性と同じような関係は無理だ、と。
その上、マチルダが親友に相応しくないと母に言われたローゼマリーは腹が立ったが、兄からその理由を説明された。そして父からも20年以上前にあった母の婚約者と友人の裏切りの話を聞くことになるというお話です。
身勝手だったのは、誰なのでしょうか。
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢になるはずの子が、潔く(?)身を引いたらこうなりました。なんで?
聖女様が現れた。聖女の力は確かにあるのになかなか開花せず封じられたままだけど、予言を的中させみんなの心を掴んだ。ルーチェは、そんな聖女様に心惹かれる婚約者を繋ぎ止める気は起きなかった。
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】円満婚約解消
里音
恋愛
「気になる人ができた。このまま婚約を続けるのは君にも彼女にも失礼だ。だから婚約を解消したい。
まず、君に話をしてから両家の親達に話そうと思う」
「はい。きちんとお話ししてくださってありがとうございます。
両家へは貴方からお話しくださいませ。私は決定に従います」
第二王子のロベルトとその婚約者ソフィーリアの婚約解消と解消後の話。
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
主人公の女性目線はほぼなく周囲の話だけです。番外編も本当に必要だったのか今でも悩んでます。
コメントなど返事は出来ないかもしれませんが、全て読ませていただきます。
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる