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1 好敵手
side想21
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「私、は……想とライバルって言われるくらいずっと競って来たの、楽しかったし、そこは私だけの位置だって自慢、でもあったから……でも、想は今までのこと、なくてもよかったんだって思ったら……なんか、すごい悔しくて……っ、悔しくて悔しくて悔しくて! ……さび、しくて……想の『今まで』に、私はいらなかったんだって……知っちゃったら、今まで通りになんて出来ないよぉ……っ」
とうとう、美結は目を瞑った。美結の綺麗な頬に沿うように線を描いて、顎先からしたたり落ちて行く。
……今まで通りになれなくなるのは、告白だけじゃないんだ……。美結……バカはお互い様だ。
「美結」
「な、なに……」
「頭突きしていいよ」
「……はっ!? な、何それ! どういう意味――」
「女だって認めさせたい鈍感野郎に喰らわしてやりたいんだろ? 俺以外にするの?」
「す、するわけないよ! そんなんしたら男友達いなくなるよ!」
「でも、俺にはしたいんだ?」
「想が鈍感過ぎるから! って、ここまで言ってまだわかんないの⁉ 頭おかしい!」
「うん。今俺、かなり頭おかしくなってる」
「じ、自分で認めるの……?」
「浮かれすぎて」
「……へ?」
美結が今度は、じと目にかわる。
「はー……なに俺、我慢とからしくねえことしてたんだろ。美結が遠慮なく突っかかってくるの、俺だけだったのに」
「……想以外に突っかかっても、楽しくない……」
「俺も、楽しかった」
とうとう、美結は目を瞑った。美結の綺麗な頬に沿うように線を描いて、顎先からしたたり落ちて行く。
……今まで通りになれなくなるのは、告白だけじゃないんだ……。美結……バカはお互い様だ。
「美結」
「な、なに……」
「頭突きしていいよ」
「……はっ!? な、何それ! どういう意味――」
「女だって認めさせたい鈍感野郎に喰らわしてやりたいんだろ? 俺以外にするの?」
「す、するわけないよ! そんなんしたら男友達いなくなるよ!」
「でも、俺にはしたいんだ?」
「想が鈍感過ぎるから! って、ここまで言ってまだわかんないの⁉ 頭おかしい!」
「うん。今俺、かなり頭おかしくなってる」
「じ、自分で認めるの……?」
「浮かれすぎて」
「……へ?」
美結が今度は、じと目にかわる。
「はー……なに俺、我慢とからしくねえことしてたんだろ。美結が遠慮なく突っかかってくるの、俺だけだったのに」
「……想以外に突っかかっても、楽しくない……」
「俺も、楽しかった」
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