26 / 172
1 好敵手
side想20
しおりを挟む
その手が僕の両頬を捉えて、唇に何かがぶつかってきた。………え。
すぐに、美結の顔は離れていった。
……ってか、え、今……?
なにかが、触れた、僕の―――
「こうすれば、私が女だってわかってくれる? ライバルでも幼馴染でも腐れ縁でもいいけど――そのどれも捨てたくないけど、玲奈を女扱い出来るんだったら私にもやってみせてよ! 鈍感アホ!」
「え、あの、いや、ちょっと待っ……」
「う、うるさい! ――って、なんでそんな真っ赤になるの! お、怒ってる? ごめん今なんか自分でもコントロール出来なくて、あ、あの、ほんとごめん、そんな真っ赤になって怒るほどだとは思わなくて――い、今のはじょう」
「―――冗談なんて言わせねーぞ」
反対に、美結の両頬を捉えた。
無理矢理見上げさせた美結の両瞳は雫を貯めていて、瞬けばこぼれ落ちそうだった。
「今の、冗談なんて言って誤魔化したら、美結のこと一生軽蔑する」
「い、言わない……」
「――ってくらい、俺には重大なんだけど。美結は軽い気持ちで出来るの?」
「なっ、そんなわけないじゃん! 私、どうしたらいいのか、もうわかんなくて……」
「なにがわかんないの?」
「そ、想が……」
「俺が?」
「な、尚、に……私と、もっと遅くに逢いたかった、って……言ってた、から……」
「………」
え? もしかして僕が昼に、情けなく尚に愚痴っていたの、聞かれていた……?
すぐに、美結の顔は離れていった。
……ってか、え、今……?
なにかが、触れた、僕の―――
「こうすれば、私が女だってわかってくれる? ライバルでも幼馴染でも腐れ縁でもいいけど――そのどれも捨てたくないけど、玲奈を女扱い出来るんだったら私にもやってみせてよ! 鈍感アホ!」
「え、あの、いや、ちょっと待っ……」
「う、うるさい! ――って、なんでそんな真っ赤になるの! お、怒ってる? ごめん今なんか自分でもコントロール出来なくて、あ、あの、ほんとごめん、そんな真っ赤になって怒るほどだとは思わなくて――い、今のはじょう」
「―――冗談なんて言わせねーぞ」
反対に、美結の両頬を捉えた。
無理矢理見上げさせた美結の両瞳は雫を貯めていて、瞬けばこぼれ落ちそうだった。
「今の、冗談なんて言って誤魔化したら、美結のこと一生軽蔑する」
「い、言わない……」
「――ってくらい、俺には重大なんだけど。美結は軽い気持ちで出来るの?」
「なっ、そんなわけないじゃん! 私、どうしたらいいのか、もうわかんなくて……」
「なにがわかんないの?」
「そ、想が……」
「俺が?」
「な、尚、に……私と、もっと遅くに逢いたかった、って……言ってた、から……」
「………」
え? もしかして僕が昼に、情けなく尚に愚痴っていたの、聞かれていた……?
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
好きな男子と付き合えるなら罰ゲームの嘘告白だって嬉しいです。なのにネタばらしどころか、遠恋なんて嫌だ、結婚してくれと泣かれて困惑しています。
石河 翠
恋愛
ずっと好きだったクラスメイトに告白された、高校2年生の山本めぐみ。罰ゲームによる嘘告白だったが、それを承知の上で、彼女は告白にOKを出した。好きなひとと付き合えるなら、嘘告白でも幸せだと考えたからだ。
すぐにフラれて笑いものにされると思っていたが、失恋するどころか大切にされる毎日。ところがある日、めぐみが海外に引っ越すと勘違いした相手が、別れたくない、どうか結婚してくれと突然泣きついてきて……。
なんだかんだ今の関係を最大限楽しんでいる、意外と図太いヒロインと、くそ真面目なせいで盛大に空振りしてしまっている残念イケメンなヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりhimawariinさまの作品をお借りしております。
幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。
スタジオ.T
青春
幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。
そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。
ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。
セカンドラブ ー30歳目前に初めての彼が7年ぶりに現れてあの時よりちゃんと抱いてやるって⁉ 【完結】
remo
恋愛
橘 あおい、30歳目前。
干からびた生活が長すぎて、化石になりそう。このまま一生1人で生きていくのかな。
と思っていたら、
初めての相手に再会した。
柚木 紘弥。
忘れられない、初めての1度だけの彼。
【完結】ありがとうございました‼
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる