26 / 54
26.背中を任せる人
しおりを挟む
王都スールマーズから東へ駱駝で行くと半日ほどの距離の所に、太陽の町と呼ばれる場所がある。あまり大きな町ではない。
町の中心には大きな神殿がありその神殿を中心として町が形成されているのだ。神殿自体はとても昔からあり、神話時代のことが書かれた貴重な資料が収められている。
太陽の町までの道のりをファルリンたちは駱駝で踏破し、町や街道沿いの周辺を見回った後王都まで戻ってくる任務が巡回の任務である。
巡回中に魔獣に遭遇した場合、魔獣が少数であればこれを撃破し、群れとであった場合は王都へ急ぎ戻り援軍を連れてこなければならない。
太陽の町までの道のりと町周辺の安全を守る大事な役目であった。
ファルリンとメフルダードは、駱駝の首を並べ横に並んで駱駝を歩かせている。今のところ魔獣や盗賊などの危険な目には遭っていない。
太陽は徐々に天頂へと向かいそれにともなって気温が高くなってくる。二人は頭からスカーフをすっぽりとかぶり、太陽光の刺すような痛みから肌を守る。
ところどころに低い木が生え、かさかさと葉を揺らせて風が吹き抜けていく。
「見えてきましたね」
ファルリンは、幻ではないかというほどぼんやりとした地平線の彼方に見える街並みをみつけた。メフルダードは、遠すぎてよく見えていない。
「僕には見えません」
「あれ?そうなんですか?」
砂漠に住む者は、放牧や狩りをするので視力に優れた者が多い。ファルリンもその一人だ。
「距離的にもあと少しと言ったところでしょうか」
街道沿いに駱駝で歩いているだけあって、道のりは平坦で駱駝が歩きやすく舗装されている。旅人や商人が行き交う活気のある街道だ。
二人は警戒しつつものんびりと太陽の町へと向かった。
太陽の町は、白い石で作られた神殿を中心に道が放射線状に広がり、それに沿って街並みが作られている。白い神殿は町のシンボルであった。小さな町なので、王都スールマーズに比べれば人通りは少なくはあるが、活気はあった。人々は魔獣の脅威に恐れを抱きながらも、たくましく生活をしていた。
二人はまず神殿に挨拶に赴いた。王宮の神殿とは違い昔ながらの神殿の造りをしている。王朝が変わっても神殿が作り替えられることがなかったのだろう。神殿の神官達に挨拶を済ませた二人は、周囲の見回りをすることになった。
王都に近いながらも、太陽の町は魔獣の被害はあまりないらしい。町の警備隊でなんとか凌いでいるという神官達の話であったが、王都の騎士達が見回ってくれるのは心強いとも話していた。ファルリンは、その思いに答えたいと思う。
徒歩で町の周辺を歩いていると、ファルリンはあることに気がついた。
「ここって遺跡が多いのですね」
「太陽の町は、神話時代から人々が住んでいたと言われています。過去の遺物がそこかしこに埋まっているんです」
人々が単なる岩だと思って座っているのは、かつての祭壇の跡だ。岩の側面に古代魔法語の文字が風化せずに残っていた。
「あれ、良いんですか?」
風化しているとはいえ、古代魔法語の文字が刻まれている魔法道具である。何かの拍子に起動したら大変なことになる。
「あの文字は、神への祝福が書かれているだけなので何も起きません。昔は神への祈りの言葉は神聖魔法語だけではなく古代魔法語も使っていたという名残ですね」
魔術師のフリをしているとはいえ、ジャハーンダールはよどみなく知識を披露する。王として研鑽を積んできた結果であった。
「大昔は、今のように魔術師が使う魔法と神官が使う神聖魔法のように区別がなかったのでしょうか。不思議な感じがします」
今は体系立てて魔術師が使う古代魔法と神官が使う神聖魔法のように使う魔法に明確な区別がついている。両方とも魔法が使えるという人間は極めて希な存在だ。王の魔術師であるヘダーヤトでも古代魔法と神聖魔法の両方を駆使することは出来ない。そのかわり、自分でオリジナルの魔法を作り出すことが出来るという別のベクトルで才能を発揮していた。
「昔は、今よりも魔法を使うことが簡単だったのではないかと言われています。それが古代魔法と神聖魔法の両方を使うことが出来た原因の一つかもしれないですね」
ファルリンとメフルダードは二人並んでのんびりと歩きながら、魔法談義をしている。ファルリンは魔術師ほどではないが、魔法の素養があり多少の魔法を使うことは出来る。メフルダードとの共通の話題は、嬉しいらしく終始楽しそうに話していた。
そのとき、ファルリンは警戒する隼の様な鋭い目をして辺りを警戒する。
「……何か来ます!」
ファルリンがメフルダードを庇うように一歩でて、西の方角に体を向け、弓を構える。
西の地平線から数匹の四つ足の動物が近づいてくる。その生き物は疾走しているようで、どんどんと姿が大きくなっていく。
最初は黒い点だったものが、今はその姿をはっきりと捕らえることが出来る。黒い毛皮と立髪に紅瞳の四つ足の生き物だ。
「魔獣か!」
メフルダードは思わずジャハーンダールの時の話し方が出てしまったが、ファルリンは気に留めていないようだ。
「数は、4。どうしますか?」
「僕たちだけで片付けましょう。いけますよね?」
「もちろんです」
ファルリンは答えるのと同時に、まだ距離のある魔獣へ向けて弓を放つ。弧を描いて空を駆けていく矢に飛距離を伸ばす魔法をかける。続けざまに、2つ、3つと連続で射る。
そこへメフルダードの古代魔法が当たり、ぎゃんっという短い悲鳴の後、魔獣が動かなくなる。残りの三匹に向けて、ファルリンは弓を放つ。
矢の雨をかいくぐり、ファルリンに肉薄する魔獣の振りかぶった前足を、ファルリンは曲刀で受け止める。
「悪神の使いを焼き払え!」
そこへすかさず古代魔法を唱えたメフルダードが、魔獣を焼き尽くす。あうんの呼吸で手際よく魔獣を退治していく。
(ファルリンと戦うのは、勝手が良いな。安心できる。悪くない)
ジャハーンダールは、ファルリンと背中合わせになりながら魔獣と対峙する。
魔術師というのは、魔法も使うが魔法が使えなかったときの場合に備えて棒術も学んでいる。メフルダードは、小さくして携帯していた魔法の杖を大きくする。自分の背丈ほどになった杖を構えて魔獣に叩き込む。
魔獣の低い悲鳴があがる。最後の一匹を倒して、メフルダードは一息ついた。
「ファルリンとはうまく戦えそうな気がします」
メフルダードが手放しでファルリンを褒めると、ファルリンは恥ずかしそうに頬を染めて、落ち着きなさそうに視線がさまよう。
そんな初々しい様子に、メフルダードは笑みがこぼれ落ちる。
「さ、一端神殿に戻りましょう。今の魔獣の襲撃の報告をしなくてはいけません」
ファルリンとメフルダードはまた、二人で並んで神殿へと戻っていった。
町の中心には大きな神殿がありその神殿を中心として町が形成されているのだ。神殿自体はとても昔からあり、神話時代のことが書かれた貴重な資料が収められている。
太陽の町までの道のりをファルリンたちは駱駝で踏破し、町や街道沿いの周辺を見回った後王都まで戻ってくる任務が巡回の任務である。
巡回中に魔獣に遭遇した場合、魔獣が少数であればこれを撃破し、群れとであった場合は王都へ急ぎ戻り援軍を連れてこなければならない。
太陽の町までの道のりと町周辺の安全を守る大事な役目であった。
ファルリンとメフルダードは、駱駝の首を並べ横に並んで駱駝を歩かせている。今のところ魔獣や盗賊などの危険な目には遭っていない。
太陽は徐々に天頂へと向かいそれにともなって気温が高くなってくる。二人は頭からスカーフをすっぽりとかぶり、太陽光の刺すような痛みから肌を守る。
ところどころに低い木が生え、かさかさと葉を揺らせて風が吹き抜けていく。
「見えてきましたね」
ファルリンは、幻ではないかというほどぼんやりとした地平線の彼方に見える街並みをみつけた。メフルダードは、遠すぎてよく見えていない。
「僕には見えません」
「あれ?そうなんですか?」
砂漠に住む者は、放牧や狩りをするので視力に優れた者が多い。ファルリンもその一人だ。
「距離的にもあと少しと言ったところでしょうか」
街道沿いに駱駝で歩いているだけあって、道のりは平坦で駱駝が歩きやすく舗装されている。旅人や商人が行き交う活気のある街道だ。
二人は警戒しつつものんびりと太陽の町へと向かった。
太陽の町は、白い石で作られた神殿を中心に道が放射線状に広がり、それに沿って街並みが作られている。白い神殿は町のシンボルであった。小さな町なので、王都スールマーズに比べれば人通りは少なくはあるが、活気はあった。人々は魔獣の脅威に恐れを抱きながらも、たくましく生活をしていた。
二人はまず神殿に挨拶に赴いた。王宮の神殿とは違い昔ながらの神殿の造りをしている。王朝が変わっても神殿が作り替えられることがなかったのだろう。神殿の神官達に挨拶を済ませた二人は、周囲の見回りをすることになった。
王都に近いながらも、太陽の町は魔獣の被害はあまりないらしい。町の警備隊でなんとか凌いでいるという神官達の話であったが、王都の騎士達が見回ってくれるのは心強いとも話していた。ファルリンは、その思いに答えたいと思う。
徒歩で町の周辺を歩いていると、ファルリンはあることに気がついた。
「ここって遺跡が多いのですね」
「太陽の町は、神話時代から人々が住んでいたと言われています。過去の遺物がそこかしこに埋まっているんです」
人々が単なる岩だと思って座っているのは、かつての祭壇の跡だ。岩の側面に古代魔法語の文字が風化せずに残っていた。
「あれ、良いんですか?」
風化しているとはいえ、古代魔法語の文字が刻まれている魔法道具である。何かの拍子に起動したら大変なことになる。
「あの文字は、神への祝福が書かれているだけなので何も起きません。昔は神への祈りの言葉は神聖魔法語だけではなく古代魔法語も使っていたという名残ですね」
魔術師のフリをしているとはいえ、ジャハーンダールはよどみなく知識を披露する。王として研鑽を積んできた結果であった。
「大昔は、今のように魔術師が使う魔法と神官が使う神聖魔法のように区別がなかったのでしょうか。不思議な感じがします」
今は体系立てて魔術師が使う古代魔法と神官が使う神聖魔法のように使う魔法に明確な区別がついている。両方とも魔法が使えるという人間は極めて希な存在だ。王の魔術師であるヘダーヤトでも古代魔法と神聖魔法の両方を駆使することは出来ない。そのかわり、自分でオリジナルの魔法を作り出すことが出来るという別のベクトルで才能を発揮していた。
「昔は、今よりも魔法を使うことが簡単だったのではないかと言われています。それが古代魔法と神聖魔法の両方を使うことが出来た原因の一つかもしれないですね」
ファルリンとメフルダードは二人並んでのんびりと歩きながら、魔法談義をしている。ファルリンは魔術師ほどではないが、魔法の素養があり多少の魔法を使うことは出来る。メフルダードとの共通の話題は、嬉しいらしく終始楽しそうに話していた。
そのとき、ファルリンは警戒する隼の様な鋭い目をして辺りを警戒する。
「……何か来ます!」
ファルリンがメフルダードを庇うように一歩でて、西の方角に体を向け、弓を構える。
西の地平線から数匹の四つ足の動物が近づいてくる。その生き物は疾走しているようで、どんどんと姿が大きくなっていく。
最初は黒い点だったものが、今はその姿をはっきりと捕らえることが出来る。黒い毛皮と立髪に紅瞳の四つ足の生き物だ。
「魔獣か!」
メフルダードは思わずジャハーンダールの時の話し方が出てしまったが、ファルリンは気に留めていないようだ。
「数は、4。どうしますか?」
「僕たちだけで片付けましょう。いけますよね?」
「もちろんです」
ファルリンは答えるのと同時に、まだ距離のある魔獣へ向けて弓を放つ。弧を描いて空を駆けていく矢に飛距離を伸ばす魔法をかける。続けざまに、2つ、3つと連続で射る。
そこへメフルダードの古代魔法が当たり、ぎゃんっという短い悲鳴の後、魔獣が動かなくなる。残りの三匹に向けて、ファルリンは弓を放つ。
矢の雨をかいくぐり、ファルリンに肉薄する魔獣の振りかぶった前足を、ファルリンは曲刀で受け止める。
「悪神の使いを焼き払え!」
そこへすかさず古代魔法を唱えたメフルダードが、魔獣を焼き尽くす。あうんの呼吸で手際よく魔獣を退治していく。
(ファルリンと戦うのは、勝手が良いな。安心できる。悪くない)
ジャハーンダールは、ファルリンと背中合わせになりながら魔獣と対峙する。
魔術師というのは、魔法も使うが魔法が使えなかったときの場合に備えて棒術も学んでいる。メフルダードは、小さくして携帯していた魔法の杖を大きくする。自分の背丈ほどになった杖を構えて魔獣に叩き込む。
魔獣の低い悲鳴があがる。最後の一匹を倒して、メフルダードは一息ついた。
「ファルリンとはうまく戦えそうな気がします」
メフルダードが手放しでファルリンを褒めると、ファルリンは恥ずかしそうに頬を染めて、落ち着きなさそうに視線がさまよう。
そんな初々しい様子に、メフルダードは笑みがこぼれ落ちる。
「さ、一端神殿に戻りましょう。今の魔獣の襲撃の報告をしなくてはいけません」
ファルリンとメフルダードはまた、二人で並んで神殿へと戻っていった。
0
お気に入りに追加
1,011
あなたにおすすめの小説
【完結】ただの悪役令嬢ですが、大国の皇子を拾いました。〜お嬢様は、実は皇子な使用人に執着される〜
曽根原ツタ
恋愛
「――あなたに拾っていただけたことは、俺の人生の中で何よりも幸運でした」
(私は、とんでもない拾いものをしてしまったのね。この人は、大国の皇子様で、ゲームの攻略対象。そして私は……私は――ただの悪役令嬢)
そこは、運命で結ばれた男女の身体に、対になる紋章が浮かぶという伝説がある乙女ゲームの世界。
悪役令嬢ジェナー・エイデンは、ゲームをプレイしていた前世の記憶を思い出していた。屋敷の使用人として彼女に仕えている元孤児の青年ギルフォードは――ゲームの攻略対象の1人。その上、大国テーレの皇帝の隠し子だった。
いつの日にか、ギルフォードにはヒロインとの運命の印が現れる。ジェナーは、ギルフォードに思いを寄せつつも、未来に現れる本物のヒロインと彼の幸せを願い身を引くつもりだった。しかし、次第に運命の紋章にまつわる本当の真実が明らかになっていき……?
★使用人(実は皇子様)× お嬢様(悪役令嬢)の一筋縄ではいかない純愛ストーリーです。
小説家になろう様でも公開中
1月4日 HOTランキング1位ありがとうございます。
(完結保証 )
【完結】公女が死んだ、その後のこと
杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】
「お母様……」
冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。
古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。
「言いつけを、守ります」
最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。
こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。
そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。
「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」
「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」
「くっ……、な、ならば蘇生させ」
「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」
「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」
「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」
「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」
「まっ、待て!話を」
「嫌ぁ〜!」
「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」
「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」
「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」
「くっ……!」
「なっ、譲位せよだと!?」
「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」
「おのれ、謀りおったか!」
「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」
◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。
◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。
◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった?
◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。
◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。
◆この作品は小説家になろうでも公開します。
◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
婚約者が病弱な妹に恋をしたので、私は家を出ます。どうか、探さないでください。
待鳥園子
恋愛
婚約者が病弱な妹を見掛けて一目惚れし、私と婚約者を交換できないかと両親に聞いたらしい。
妹は清楚で可愛くて、しかも性格も良くて素直で可愛い。私が男でも、私よりもあの子が良いと、きっと思ってしまうはず。
……これは、二人は悪くない。仕方ないこと。
けど、二人の邪魔者になるくらいなら、私が家出します!
自覚のない純粋培養貴族令嬢が腹黒策士な護衛騎士に囚われて何があっても抜け出せないほどに溺愛される話。
【本編完結】若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
はづも
恋愛
本編完結済み。番外編がたまに投稿されたりされなかったりします。
伯爵家に生まれたカレン・アーネストは、20歳のとき、幼馴染でもある若き公爵、ジョンズワート・デュライトの妻となった。
しかし、ジョンズワートはカレンを愛しているわけではない。
当時12歳だったカレンの額に傷を負わせた彼は、その責任を取るためにカレンと結婚したのである。
……本当に好きな人を、諦めてまで。
幼い頃からずっと好きだった彼のために、早く身を引かなければ。
そう思っていたのに、初夜の一度でカレンは懐妊。
このままでは、ジョンズワートが一生自分に縛られてしまう。
夫を想うが故に、カレンは妊娠したことを隠して姿を消した。
愛する人を縛りたくないヒロインと、死亡説が流れても好きな人を諦めることができないヒーローの、両片想い・幼馴染・すれ違い・ハッピーエンドなお話です。
【完】前世で子供が産めなくて悲惨な末路を送ったので、今世では婚約破棄しようとしたら何故か身ごもりました
112
恋愛
前世でマリアは、一人ひっそりと悲惨な最期を迎えた。
なので今度は生き延びるために、婚約破棄を突きつけた。しかし相手のカイルに猛反対され、無理やり床を共にすることに。
前世で子供が出来なかったから、今度も出来ないだろうと思っていたら何故か懐妊し─
【完結】私を捨てて駆け落ちしたあなたには、こちらからさようならを言いましょう。
やまぐちこはる
恋愛
パルティア・エンダライン侯爵令嬢はある日珍しく婿入り予定の婚約者から届いた手紙を読んで、彼が駆け落ちしたことを知った。相手は同じく侯爵令嬢で、そちらにも王家の血筋の婿入りする婚約者がいたが、貴族派閥を保つ政略結婚だったためにどうやっても婚約を解消できず、愛の逃避行と洒落こんだらしい。
落ち込むパルティアは、しばらく社交から離れたい療養地としても有名な別荘地へ避暑に向かう。静かな湖畔で傷を癒やしたいと、高級ホテルでひっそり寛いでいると同じ頃から同じように、人目を避けてぼんやり湖を眺める美しい青年に気がついた。
毎日涼しい湖畔で本を読みながら、チラリチラリと彼を盗み見ることが日課となったパルティアだが。
様子がおかしい青年に気づく。
ふらりと湖に近づくと、ポチャっと小さな水音を立てて入水し始めたのだ。
ドレスの裾をたくしあげ、パルティアも湖に駆け込んで彼を引き留めた。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
最終話まで予約投稿済です。
次はどんな話を書こうかなと思ったとき、駆け落ちした知人を思い出し、そんな話を書くことに致しました。
ある日突然、紙1枚で消えるのは本当にびっくりするのでやめてくださいという思いを込めて。
楽しんで頂けましたら、きっと彼らも喜ぶことと思います。
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる