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第二章
第二十六話 作戦会議再び
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「とうとう俺に手を出してきたぞ」
ここは王宮の離宮にある使われてない部屋。そこにアルスト殿下、スクト様、そしてわたしの三人が集まっていた。部屋の外には警備が誰も居ない様に見えて、実は隠密行動を専門とする極秘の護衛部隊が潜んでいるらしい。わたしには姿が全く見えないので、それはまるで忍者の様だ。
前に殿下の執務室で作戦会議していた時、帰りにタクト様にバッタリ出会ってしまった為……あれ以来、この離宮の部屋を使用する事となった。そして何故スクト様が居るのかというと……今回のヒロインの行動からティアナ様を守る為にと、スクト様に転生者という事実を話して協力を仰いだのだそうだ。
転生者なんて突拍子もない事をよく信じて貰えたな、と思ったけどスクト様曰く「そんな事はどうでも良い」らしい。ただ、大事な妹や自分たちに危害を加えようとしている存在が居るのなら、それは排除するまで……との事。うわぁ……スクト様ってほんわか優しいイメージなのに、実は腹の中はブリザード吹雪いてるお方だったのね。さすが未来の宰相だ。
「アレはあからさまに異常な行動でしたねぇ」
殿下の言葉にうんうん頷きながらスクト様も続く。
何やら廊下の角からヒロインがタックルかまして来たらしい。それを華麗に避けられた殿下たちの前で、ヒロインは顔で床にご挨拶されたとか。更に起こすのを手伝う為に仕方なくタクト様が手を差し伸べられたけど、それを拒否して何故か殿下に手を伸ばしてきたらしい。
勿論、王太子でもある殿下が婚約者でもないご令嬢の身体に触れる筈もなく……あまりにも起き上がらないヒロインに時間の無駄だと思われたスクト様が無理矢理引っ張り起こして立たせたら、スクト様でなく殿下にお礼を言って去っていったという珍事を引き起こしたとのお話だ。
…………いや、マジで何やってんのよヒロイン。
「恐らく殿下たちが全く自分に振り向きもしないし、イベントも起きないから強硬手段に出てきたのだと思います……」
「まぁ、そうだろうね」
「実際、僕とタクトにも既に何回かアクションは起こしてきてるからねぇ。スルーしてるけど」
アクション起こす度に白い目で見られてるヒロイン……いい加減、諦めたらいいのに。ギュンター様、マーベリー先生、パワード様の三人に愛されれば十分じゃないか、とさえ思う。何をそんなに欲張っているのだろう。
「逆ハーの最終形態って王太子妃になって、他のメンバーは愛人設定だったよな?」
「そうですね……今後は殿下にガンガン来ると思います」
最終形態って、モンスターみたいな響きだな。
「マジ面倒臭い……誰かあのピンク頭をよその世界に捨てて来てくれないかなぁ……」
「同意したいけど、それはそれで捨てられた世界の人たちが可哀想だよ」
「あは、あはははは……」
めちゃくちゃ言われてますな、ヒロイン……。
ここは王宮の離宮にある使われてない部屋。そこにアルスト殿下、スクト様、そしてわたしの三人が集まっていた。部屋の外には警備が誰も居ない様に見えて、実は隠密行動を専門とする極秘の護衛部隊が潜んでいるらしい。わたしには姿が全く見えないので、それはまるで忍者の様だ。
前に殿下の執務室で作戦会議していた時、帰りにタクト様にバッタリ出会ってしまった為……あれ以来、この離宮の部屋を使用する事となった。そして何故スクト様が居るのかというと……今回のヒロインの行動からティアナ様を守る為にと、スクト様に転生者という事実を話して協力を仰いだのだそうだ。
転生者なんて突拍子もない事をよく信じて貰えたな、と思ったけどスクト様曰く「そんな事はどうでも良い」らしい。ただ、大事な妹や自分たちに危害を加えようとしている存在が居るのなら、それは排除するまで……との事。うわぁ……スクト様ってほんわか優しいイメージなのに、実は腹の中はブリザード吹雪いてるお方だったのね。さすが未来の宰相だ。
「アレはあからさまに異常な行動でしたねぇ」
殿下の言葉にうんうん頷きながらスクト様も続く。
何やら廊下の角からヒロインがタックルかまして来たらしい。それを華麗に避けられた殿下たちの前で、ヒロインは顔で床にご挨拶されたとか。更に起こすのを手伝う為に仕方なくタクト様が手を差し伸べられたけど、それを拒否して何故か殿下に手を伸ばしてきたらしい。
勿論、王太子でもある殿下が婚約者でもないご令嬢の身体に触れる筈もなく……あまりにも起き上がらないヒロインに時間の無駄だと思われたスクト様が無理矢理引っ張り起こして立たせたら、スクト様でなく殿下にお礼を言って去っていったという珍事を引き起こしたとのお話だ。
…………いや、マジで何やってんのよヒロイン。
「恐らく殿下たちが全く自分に振り向きもしないし、イベントも起きないから強硬手段に出てきたのだと思います……」
「まぁ、そうだろうね」
「実際、僕とタクトにも既に何回かアクションは起こしてきてるからねぇ。スルーしてるけど」
アクション起こす度に白い目で見られてるヒロイン……いい加減、諦めたらいいのに。ギュンター様、マーベリー先生、パワード様の三人に愛されれば十分じゃないか、とさえ思う。何をそんなに欲張っているのだろう。
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「そうですね……今後は殿下にガンガン来ると思います」
最終形態って、モンスターみたいな響きだな。
「マジ面倒臭い……誰かあのピンク頭をよその世界に捨てて来てくれないかなぁ……」
「同意したいけど、それはそれで捨てられた世界の人たちが可哀想だよ」
「あは、あはははは……」
めちゃくちゃ言われてますな、ヒロイン……。
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