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エミリア、聖女を警戒するも失敗する
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「私こういった場所にまだ不慣れなので、知っている方が居て良かったです」
サルビアは嬉しそうにそう話しながら、ごく自然にエミリア達の元へ合流してきた。
「ファフナー嬢はあまり茶会には参加されないのかい?」
「お恥ずかしながら最近まで名ばかりの男爵家でしたので、こういった華やかな集まりへの招待は皆無で……」
少し居心地悪そうに肩をすくめてみせるサルビアの姿にイアンはなるほど、と納得してみせる。聖女となり家格も上がった為、急にあちこちから招待状が届く様になったらしい。
「どうりでお会いした事がありませんでしたわ」
エミリアも一つ謎が解明した事に安堵した。イアンの後ろに半ば隠れる様にしてこっそりサルビアの姿をよく見てみると着ているロングワンピースも質は良い物だが、デザインは一回り流行遅れでサイズも少々合っていない様だった。恐らく招待状を貰って慌てて既製品を買いに走ったのだろう。
そんな服を着るぐらいならエミリアの部屋のクローゼットに並べられた、殆ど着ないまま放置されているドレスやワンピースを着た方が良さそうだ。サイズもエミリアとよく似ているから大丈夫だろう。
エミリア自身は自分からはあまり服を買わないのだが、両親が(特に父親)「似合う! 可愛い!」と自己満足の為に沢山買い与えて来るのだ。頑張って色々着る様にはしているのだが、それにも限界がある。
「……邸に余っているドレスや服が沢山ありますわ。多分今来ている服よりサイズは合う筈ですし、さ、差し上げても宜しくてよ」
「えっ、良いんですか!? それは凄く助かります」
思わず口から出てしまった素の親切心にハッと気付いて自分の口を押さえる。
(お、おバカ! 何余計な事口走ってますの!)
「正直言って伯爵家にはなったものの今迄領地を持っていなかった為、家族も初めての領地経営に悪戦苦闘してまして……そんな状態で服にまで予算を掛けられないので、暫くはこの服一枚で何とか取り繕おうかと思ってたんです」
「そんな恥ずかしい真似されては貴族の一員として困りますわ! でしたら尚の事、早々にわたくしの邸へいらして頂戴」
(聖女とあろう者がまさかそんな真似をしようとしていただなんて。貴族らしくないのは本人の自由かもしれませんが、周りが迷惑致しますわ)
エミリアは呆れながらも約束を取り付け、そして挨拶回りに向かったサルビアとはそこで別れた。何だか疲れてしまったので休憩用にと並べられた壁際の椅子の一つに腰掛ける事にした。
(あまり関わらない方が良いのに困った方ですわ……)
ヒロインかもしれないサルビアとの距離感や関係性には注意が必要だと思うのだが、彼女の言動を見ているとついつい口出してしまう。これも悪役令嬢とヒロインの性質というやつなのだろうか。
思えばゲームの中の悪役令嬢はだいたいがヒロインの素行を注意したり世話を焼いた結果、逆にそれが虐めだと言われてしまう上に婚約者からも嫌われてしまう。勿論本気で性格の悪い悪役令嬢も居るのは居るが、その場合は自業自得である。
いつの間に用意させたのかピンク色のトロリとした液体の入ったグラスが二つ、この邸の使用人によって運ばれて来た。それをイアンが当たり前の様に受け取る。
「はい、リア。これでも飲んでゆっくりして」
グラスの一つを渡されたエミリアは、こちらを優しく微笑みながら隣の椅子へと腰を下ろすイアンに促されてグラスに入ったピンク色の液体を口へと運んだ。
甘い香りと共に優しい味が口へと広がっていく。
「桃……」
エミリアがポツリと呟けば、イアンの顔がクシャッとした笑顔になる。この笑顔はエミリアの前でだけ見せるイアンの素顔の一つだ。
「リアが好きだから用意させたんだ」
イアンもグラスを傾けてピンク色の桃ジュースを喉へと流し込む。少し男性らしさの出て来たイアンの喉元が液体を飲み込んでいく光景と、その綺麗な横顔に見惚れる。
「ん? どうかした?」
「い、いえ。別に……」
見惚れていたのがバレた恥ずかしさで慌てて視線を逸らして俯くが、顔が熱を持っているのが自分でも分かるのでイアンには丸分かりだろう。
「リア可愛い♡」
その証拠に、フニフニとイアンは嬉しそうにエミリアの頬を触れて来る。その手がまた何だか心地良いので特に拒否もしない。
(ズルイですわ、キュンキュンですわ)
今日もエミリアはイアンの前では撃沈だ。
「……ねぇ、イアン。一つ聞いても良いかしら」
「うん、なんだい?」
「イアンはファフナー嬢の事どうお思いですの? その、少しは惹かれたり、してますの?」
「え、ファフナー嬢? 全く興味無いかな」
キョトンとした表情で何の躊躇もなく答えてくれたイアンに、エミリアの方が戸惑う。
「ほら、市井の方みたいな振る舞いが新鮮に感じたりとか……」
「貴族として失格だと思うよ、マナーのなっていない女性は私の趣味じゃない」
「そ、素朴な雰囲気が可愛く見えるとか……」
「リア以外を可愛いと思った事が無いけど?」
「…………」
何を問いかけてもイアンはこの調子なので、質問が思い付かなくなってしまった。
「リアは私に、他の女性に心変わりして欲しいの?」
「そ、れ……は……」
そう問われると複雑だ。イアンが心変わりしてくれたら婚約破棄しやすくなって、悪役令嬢の役目からも逃れられるかもしれない。むしろ本来はそう願っている筈なのに、そうなる事を恐れている自分が居る事も否定出来ない。
「いつも言ってるけど私は心変わりする事は無いから、リアは素直に私へ寄り掛かってくれて良いんだよ?」
エミリアの心が既にイアンにある事はイアン本人にもバレているだろうが、まだそれを認めてしまう訳にはいかなかった。聖女が出て来た以上、余計にダメだ。
このまま本当にゲームが開始されてしまったとしたら、エミリアは何もかも投げ捨てて逃げ出さないといけないかもしれないのだ。
「……ごめんなさい。まだダメなの、まだ待って」
キュッと、イアンの上着の端を摘んで握る。本当はイアンの手や腕に触れたいけど、怖くて出来ないのでこれが精一杯のアピールだ。
勝手な都合で王太子であるイアンに迷惑かけてるのも自覚している。こんな困った婚約者なんて捨ててしまえば楽な筈なのに、イアンは律儀にもエミリアの戯言に付き合ってくれている。
「うん、分かってるよ。あと数年必要なんだよね?」
「はい」
恐らくゲーム開始となるのはエミリアが王立学園へ入学してから。その日が早く来て欲しいけど、来たら来たで怖い様な不思議な感覚だ。
今はまだイアンの優しさに甘えているしか出来ないエミリアだった。
サルビアは嬉しそうにそう話しながら、ごく自然にエミリア達の元へ合流してきた。
「ファフナー嬢はあまり茶会には参加されないのかい?」
「お恥ずかしながら最近まで名ばかりの男爵家でしたので、こういった華やかな集まりへの招待は皆無で……」
少し居心地悪そうに肩をすくめてみせるサルビアの姿にイアンはなるほど、と納得してみせる。聖女となり家格も上がった為、急にあちこちから招待状が届く様になったらしい。
「どうりでお会いした事がありませんでしたわ」
エミリアも一つ謎が解明した事に安堵した。イアンの後ろに半ば隠れる様にしてこっそりサルビアの姿をよく見てみると着ているロングワンピースも質は良い物だが、デザインは一回り流行遅れでサイズも少々合っていない様だった。恐らく招待状を貰って慌てて既製品を買いに走ったのだろう。
そんな服を着るぐらいならエミリアの部屋のクローゼットに並べられた、殆ど着ないまま放置されているドレスやワンピースを着た方が良さそうだ。サイズもエミリアとよく似ているから大丈夫だろう。
エミリア自身は自分からはあまり服を買わないのだが、両親が(特に父親)「似合う! 可愛い!」と自己満足の為に沢山買い与えて来るのだ。頑張って色々着る様にはしているのだが、それにも限界がある。
「……邸に余っているドレスや服が沢山ありますわ。多分今来ている服よりサイズは合う筈ですし、さ、差し上げても宜しくてよ」
「えっ、良いんですか!? それは凄く助かります」
思わず口から出てしまった素の親切心にハッと気付いて自分の口を押さえる。
(お、おバカ! 何余計な事口走ってますの!)
「正直言って伯爵家にはなったものの今迄領地を持っていなかった為、家族も初めての領地経営に悪戦苦闘してまして……そんな状態で服にまで予算を掛けられないので、暫くはこの服一枚で何とか取り繕おうかと思ってたんです」
「そんな恥ずかしい真似されては貴族の一員として困りますわ! でしたら尚の事、早々にわたくしの邸へいらして頂戴」
(聖女とあろう者がまさかそんな真似をしようとしていただなんて。貴族らしくないのは本人の自由かもしれませんが、周りが迷惑致しますわ)
エミリアは呆れながらも約束を取り付け、そして挨拶回りに向かったサルビアとはそこで別れた。何だか疲れてしまったので休憩用にと並べられた壁際の椅子の一つに腰掛ける事にした。
(あまり関わらない方が良いのに困った方ですわ……)
ヒロインかもしれないサルビアとの距離感や関係性には注意が必要だと思うのだが、彼女の言動を見ているとついつい口出してしまう。これも悪役令嬢とヒロインの性質というやつなのだろうか。
思えばゲームの中の悪役令嬢はだいたいがヒロインの素行を注意したり世話を焼いた結果、逆にそれが虐めだと言われてしまう上に婚約者からも嫌われてしまう。勿論本気で性格の悪い悪役令嬢も居るのは居るが、その場合は自業自得である。
いつの間に用意させたのかピンク色のトロリとした液体の入ったグラスが二つ、この邸の使用人によって運ばれて来た。それをイアンが当たり前の様に受け取る。
「はい、リア。これでも飲んでゆっくりして」
グラスの一つを渡されたエミリアは、こちらを優しく微笑みながら隣の椅子へと腰を下ろすイアンに促されてグラスに入ったピンク色の液体を口へと運んだ。
甘い香りと共に優しい味が口へと広がっていく。
「桃……」
エミリアがポツリと呟けば、イアンの顔がクシャッとした笑顔になる。この笑顔はエミリアの前でだけ見せるイアンの素顔の一つだ。
「リアが好きだから用意させたんだ」
イアンもグラスを傾けてピンク色の桃ジュースを喉へと流し込む。少し男性らしさの出て来たイアンの喉元が液体を飲み込んでいく光景と、その綺麗な横顔に見惚れる。
「ん? どうかした?」
「い、いえ。別に……」
見惚れていたのがバレた恥ずかしさで慌てて視線を逸らして俯くが、顔が熱を持っているのが自分でも分かるのでイアンには丸分かりだろう。
「リア可愛い♡」
その証拠に、フニフニとイアンは嬉しそうにエミリアの頬を触れて来る。その手がまた何だか心地良いので特に拒否もしない。
(ズルイですわ、キュンキュンですわ)
今日もエミリアはイアンの前では撃沈だ。
「……ねぇ、イアン。一つ聞いても良いかしら」
「うん、なんだい?」
「イアンはファフナー嬢の事どうお思いですの? その、少しは惹かれたり、してますの?」
「え、ファフナー嬢? 全く興味無いかな」
キョトンとした表情で何の躊躇もなく答えてくれたイアンに、エミリアの方が戸惑う。
「ほら、市井の方みたいな振る舞いが新鮮に感じたりとか……」
「貴族として失格だと思うよ、マナーのなっていない女性は私の趣味じゃない」
「そ、素朴な雰囲気が可愛く見えるとか……」
「リア以外を可愛いと思った事が無いけど?」
「…………」
何を問いかけてもイアンはこの調子なので、質問が思い付かなくなってしまった。
「リアは私に、他の女性に心変わりして欲しいの?」
「そ、れ……は……」
そう問われると複雑だ。イアンが心変わりしてくれたら婚約破棄しやすくなって、悪役令嬢の役目からも逃れられるかもしれない。むしろ本来はそう願っている筈なのに、そうなる事を恐れている自分が居る事も否定出来ない。
「いつも言ってるけど私は心変わりする事は無いから、リアは素直に私へ寄り掛かってくれて良いんだよ?」
エミリアの心が既にイアンにある事はイアン本人にもバレているだろうが、まだそれを認めてしまう訳にはいかなかった。聖女が出て来た以上、余計にダメだ。
このまま本当にゲームが開始されてしまったとしたら、エミリアは何もかも投げ捨てて逃げ出さないといけないかもしれないのだ。
「……ごめんなさい。まだダメなの、まだ待って」
キュッと、イアンの上着の端を摘んで握る。本当はイアンの手や腕に触れたいけど、怖くて出来ないのでこれが精一杯のアピールだ。
勝手な都合で王太子であるイアンに迷惑かけてるのも自覚している。こんな困った婚約者なんて捨ててしまえば楽な筈なのに、イアンは律儀にもエミリアの戯言に付き合ってくれている。
「うん、分かってるよ。あと数年必要なんだよね?」
「はい」
恐らくゲーム開始となるのはエミリアが王立学園へ入学してから。その日が早く来て欲しいけど、来たら来たで怖い様な不思議な感覚だ。
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