陽だまりに廻る赤

 十歳の僕が見ていたものは
 幻か、陽だまりか
 どちらだったのだろうかと
 未だに思い返してしまうのは

 壁いっぱいの窓から降り注ぐ
 春の始まりの光

 僕が全身で好きだったものが
 その空間に溶けて
 光の粒になっていたからだ

 高い本棚に守られた図書館と
 もうすぐ制服を卒業するお姉さん
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