ベルガモットの空言

小春佳代

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虚しさが世界を広げる

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カーテンの隙間から
溢れる日の光を受ける朝
目覚めると同時に
私のことを思い出してくれてありがとう

詰め込むように働き続けて
やっと休息を取ることができる昼
お弁当の蓋を開けた後に
私のことを思い出してくれてありがとう

仕事から帰宅し
食事と団欒だんらんを終えた夜
目を閉じる前に
私のことを思い出してくれてありがとう

でも、私は私で
こちら側の世界で
ちゃんとやれています

だから、あなたが私を
徐々に思い出さなくなっていっても
何も問題ありません

あなたが知らないところで
私は自分の可能性を高めます

あなたが
思い出さなければ思い出さないだけ
私の世界は広がってゆくのです
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