ベルガモットの空言

小春佳代

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新たな木霊は

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ただぼんやりと
この世界に在り続けることの
不可能さ

私たちには何かしら
不特定多数のつる草が
まとわりつく

それが
外側からくるものなのか
内側からくるものなのか

私たちは精一杯
それらに対処する

だからこそ癒されたい



この世界にぼんやりと
平気で浮かび続けることができない

自分にとっての平穏な生活と心は
ある程度の疲弊を伴って
保たれるらしい

一瞬でいい
空高く浮かんでみよう

見晴らしのいい上空で
君の癒しの言葉が
木霊する

心が浄化されていく

現実とかけ離れた天の世界は
どんなに空気が美味しかったことか

私は少し
その贅沢に浸り過ぎてしまった

新たな木霊は
生まれない

君はもう
何も言わない
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