ベルガモットの空言

小春佳代

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語る価値のある人々の前でしか日本酒を飲まない

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「そんなことはたいしたことない」
と当たり前のように笑う人種

詳しく説明せずとも察して
心の底から同情してくれる人種

二種類存在するんだなぁと
正月早々思い知らされる



あれよりはマシ
これよりはマシ

そういう比べ方をして生き続けることが
果たして正解なのだろうか



内容の深刻さが問題なのではないだろう

「どうしてそこまで
追い詰められることになってしまったのか」

それが重要なのではないのか



いつの間にか決めていたのは
察してくれる人々にしか
心の内をさらさないこと

そして
語る価値のある人々の前でしか
日本酒を飲まないこと

これが正しい生き方だ



ねぇ、どうして
追い詰められることになったと思う?

いつまで経っても強くなれない私が
周りを尊重して調和を図ろうとしてきた
痛々しい結果なんだよ
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