ベルガモットの空言

小春佳代

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幻想し合いっこ

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叶えたい「夢」よりも
ぼんやり見たい「夢」の方が
心地良いと気づいたのはいつの頃からだっけ


僕たちは幻想し合いっこ
オールマイティな人間なんていないことを
身を以て知り尽くしたゆえの関係

ただ明らかに
お互いそれぞれに
叶えたい夢が存在している

それは夢なのか責任なのか
でもやっぱり夢だと
きっとそうなんだと


僕たちは幻想し合いっこ
恋のフィルターの端が風ではためいているよ

あの子は僕の目にかかる
その恋の端を押さえながら
苦しそうに微笑んで言ったんだ

「あなたにだけはあんまり
普段の私を見て欲しくないな」
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