夢現で戯言を

小春佳代

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純白のドレスに翼

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お友達の結婚式に行ってきました。

本当に夢現とは、このことで。

彼女が社会人として長年積み上げてきたものが、花開いた一種の形……を見たような気がしました。

私は社会人経験もそれほど深くなく、翼をたたみカゴの中に入った後は、目の前の使命に取り組んで参りました。

たたんだ翼はいつのまにか、存在を消し。

夕闇のベランダでふと、小学校の時に何の感情もなく歌わされていた『翼をください』を思い出すこともありました。

今日は数年に一度、翼を貸し出された日。

久方ぶりに翼を羽ばたかせた私は、外の世界にはたくさんの大人がいて、とても華やかでこんなに騒がしいんだ……ということに驚き、懐かしさを感じました。

『あぁ、そういえば、私も昔、ここにいた』

でもここに居続けるために多大な苦労が必要なことも想像できます。

彼女が純白のドレス姿の背にまとっていたものは、透明で大きな翼。

綺麗で、美しく、気高い、努力の結晶。
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