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やり直しの人生

事後処理

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「というわけなのです」

 ダウニー様が修道院に送られてから三日後、私はラウルお兄様の婚約者であるリリアナ・クレスト公爵令嬢を王宮に招いていた。

 彼女に、ダウニー様をはじめとする彼らの結末をお話するためだ。

 ちなみに婚約者であるお兄様は現在、お父様たちとアルフレッド陛下を交えて『お詫び』について話し合い中である。

 アルフレッド陛下は、私に『お願い』をすることで、ダウニー様たちの不敬を不問にして下さった。

 その『お願い』について、お母様主導で話を詰めている最中なのだ。

 当事者の私だけど、お父様とお兄様がはっきり言って面倒なので、お母様に丸投げ・・・お任せすることにした。

「そうなのですね。東の修道院に・・・」

「規律は厳しいですが、本来なら一生幽閉か処刑されてもおかしくなかったのです。魅了魔法などというものを使ったのですから」

 アルフレッド陛下がいてくださらなかったら、ラウルお兄様も魅了されていたかもしれない。

「何度注意しても、ラグドール様もナルシス様も聞いてくださいませんでした。魅了されていたからですのね」

「アルフレッド陛下のお話では、魅了魔法は一定期間離れていれば、その効果は薄れていくそうです。彼らがその魔法から解き放たれなかったのは、彼らが望んでダウニー様の側にいたからだと思います」

 ダウニー様が二人に魅了魔法を使っていたことは、二人の親である侯爵たちにも知らせた。

 それを知った上で、侯爵たちは本人たちに高位貴族としての資質なしと判断された。

 たとえ避けられない力だったとしても、彼らが花に引き寄せられる虫のように、ダウニー様に近付いていたのは間違いない事実だからと。

 婚約者がいながら、他の令嬢に現を抜かした罰だと、そう言っていた。

 確かにアルフレッド陛下のお話では、強い命令口調でない限り、魅了魔法が完全にかかるわけではないらしい。

 あの断罪の場のように「助けて」と強く言ったなら、効果は強く出るらしいが、普通なら何度も接することでかかるものだと聞いた。

 つまりはそういうことだ。
二人は完全にかかるまで、婚約者がいながらダウニー様と親密になっていたということなのだ。

 彼らの婚約者のご令嬢だが、婚約を白紙という形をとった。

 いくら魅了魔法にかかっていたからとはいえ、この国では婚約解消は女性にとって不利益なことだ。

 王家の権限で、彼らの婚約はなかったものとされた。

 彼女たちの新たな婚約については、お母様が王妃主催のお茶会を開いて、縁を作るそうだ。
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