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悪役令嬢の甘い休日
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教会の精霊の解放に向かうのは、1週間後。
グリード様は足繁く教会に通われ、ライナス先生はいつも通りに学園の授業へと戻られた。
私とシキは、その間は学園を休んで屋敷で過ごすことにした。
ライナス先生の依頼で、精霊解放に携わってからは、体調不良ということで学園はお休みしている。全てが終わるまでは休む予定だ。
心配したシャルロット様がお見舞いに来てくれたけど、事情を明かすわけにもいかず、シキが対応して自国に戻って休養していると伝えてくれた。
来てくれるたびに会えないとは言えないから・・・ごめんね、シャルロット様。
そんなわけで、自国に戻っているはずの人間が、街をウロウロするわけにもいかないので、屋敷で大人しくしているのだ。
シキが常にいるので、この機会にと屋敷勤めの侍女たちにはお休みを取ってもらうことにした。
1週間ものお休み、中々あげれないし。旅行に行く者、昼間は買い物などをして、夜は屋敷に戻ってくる者。みんな、それぞれ好きに過ごしてもらう。
家のことは、シキが滞りなく行っている。本当に、何でも出来るシキを見ていると、ちょっと自分が情けなくなる。
公爵令嬢だから、何もできなくても普通といえば普通なのだが、旦那様になる男の高スペックさに焦りが生じる。
「ねぇ、シキ。私に家事を教えてくれない?」
「どうしたんですか?急に」
「ほ、ほら、いつか結婚したら、少しくらいは家事も出来ないと」
「結婚したら、俺は伯爵家を再興しますから、侍女や家令は雇いますよ」
そ、そうだった。今は王室預かりの伯爵家を戻してもらうんだったわ。
「アイリスには、伯爵家当主夫人としての仕事があるでしょう?家事をする必要はありませんよ」
確かに、伯爵家を再興したら、他の貴族との交流や、領地の経営、家令や侍女の教育など、女主人としてすることはたくさんあるだろう。
シキは、膝の上に私を横抱きに座らせると、頬に手を添えてくる。
「突然、どうしたのです?」
「・・・私だって、シキのために何かできたらって、思って」
シキは何でも出来て、私に何でもしてくれるから、私も何かひとつくらい出来たらって思ったのだ。
俯く私の頬を、シキの細く長い指が撫でる。くすぐったさに身を捩った。
「んっ・・・」
「俺のためにというのなら、こうやって膝の上に座って、俺に甘えて下さい」
子猫をあやすように、顎の下を撫でられ、上向いた途端、キスが落ちてくる。
チュッ、チュッと啄むように繰り返されるキスに、シキの胸元にしがみついてしまう。
キスが段々不埒になり、深くなっていく。
「ふぅ・・・んっ、シキぃ」
「そうやって、甘い声で俺を煽って、いけない子ですね、アイリスは」
「そんな・・・の、しら・・ないっ」
キスをしてきたのはシキだもの。それに、甘えてって言ったのも。
「今夜は、一緒に眠りましょうか」
耳元で囁かれる言葉に、私の顔が真っ赤になる。熱が顔に集まって、クラクラして来てー
ぷしゅゅゅゅゅう。
私はそのまま意識を失ったのだった。
グリード様は足繁く教会に通われ、ライナス先生はいつも通りに学園の授業へと戻られた。
私とシキは、その間は学園を休んで屋敷で過ごすことにした。
ライナス先生の依頼で、精霊解放に携わってからは、体調不良ということで学園はお休みしている。全てが終わるまでは休む予定だ。
心配したシャルロット様がお見舞いに来てくれたけど、事情を明かすわけにもいかず、シキが対応して自国に戻って休養していると伝えてくれた。
来てくれるたびに会えないとは言えないから・・・ごめんね、シャルロット様。
そんなわけで、自国に戻っているはずの人間が、街をウロウロするわけにもいかないので、屋敷で大人しくしているのだ。
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公爵令嬢だから、何もできなくても普通といえば普通なのだが、旦那様になる男の高スペックさに焦りが生じる。
「ねぇ、シキ。私に家事を教えてくれない?」
「どうしたんですか?急に」
「ほ、ほら、いつか結婚したら、少しくらいは家事も出来ないと」
「結婚したら、俺は伯爵家を再興しますから、侍女や家令は雇いますよ」
そ、そうだった。今は王室預かりの伯爵家を戻してもらうんだったわ。
「アイリスには、伯爵家当主夫人としての仕事があるでしょう?家事をする必要はありませんよ」
確かに、伯爵家を再興したら、他の貴族との交流や、領地の経営、家令や侍女の教育など、女主人としてすることはたくさんあるだろう。
シキは、膝の上に私を横抱きに座らせると、頬に手を添えてくる。
「突然、どうしたのです?」
「・・・私だって、シキのために何かできたらって、思って」
シキは何でも出来て、私に何でもしてくれるから、私も何かひとつくらい出来たらって思ったのだ。
俯く私の頬を、シキの細く長い指が撫でる。くすぐったさに身を捩った。
「んっ・・・」
「俺のためにというのなら、こうやって膝の上に座って、俺に甘えて下さい」
子猫をあやすように、顎の下を撫でられ、上向いた途端、キスが落ちてくる。
チュッ、チュッと啄むように繰り返されるキスに、シキの胸元にしがみついてしまう。
キスが段々不埒になり、深くなっていく。
「ふぅ・・・んっ、シキぃ」
「そうやって、甘い声で俺を煽って、いけない子ですね、アイリスは」
「そんな・・・の、しら・・ないっ」
キスをしてきたのはシキだもの。それに、甘えてって言ったのも。
「今夜は、一緒に眠りましょうか」
耳元で囁かれる言葉に、私の顔が真っ赤になる。熱が顔に集まって、クラクラして来てー
ぷしゅゅゅゅゅう。
私はそのまま意識を失ったのだった。
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