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悪役令嬢と精霊の遺跡2
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オアシスでラクダを休ませながら、ライナス先生とグリード様にはここで待っていてもらうことになっている。
ライナス先生にもグリード様にも反対されたけど、何が起こるか分からないし、もし何かあった時、4人も守り切れるとは思えなかった。
遺跡は目の前だし、シキにはついてきてもらうからと、何とか説得した。
本当のことを言うと、シキを危険には晒したくなかったけど、それを言うと同じことを言い返されるのが分かってたし、私自身がシキと離れたくなかった。
遺跡は、砂漠にいた昔の王族の居城で、平たく大きなお城は、ほとんどが砂によって崩されていて、残っているのは入口から真っ直ぐ奥に進んだ先にある王の間のみのようだった。
おそらく、そこが精霊のいる場所だろうと思う。
崩れそうな廊下を真っ直ぐ進む。精霊の影響なのか、砂漠のせいなのか、遺跡の中は蒸し上がるような暑さで、歩くだけで汗が吹き出してくる。
王の間の中央に燃え盛る焔が見えた。
真っ黒なその焔は、辺りを燃やし尽くし、天井まで届く勢いで揺らめいている。
これ、どうやって触れたらいいの?近づいただけで炭になりそうなんだけど。
あまりの勢いに、部屋の入口から入ることもできない。
「どうしよう?シキ」
「このままでは近づくことすら出来ませんね」
シキは焔から視線を逸らさないまま、考え込む。
普通の火なら水をかければ消えるだろうけど、あの黒い焔は消えそうにない。大体、私に水を出せる魔法が使えるかどうかも分からないし・・・ん?
「ねぇ、シキ。水の精霊王様を解放したよね?シキ、水の魔法使えたりしない?」
私が試してみてもいいけど、私はどっちにしろ解放するために力を使わなければならないから、可能ならシキが使ってくれた方がいい。
「俺の魔法属性は闇なので、水が出せるかは分かりませんが、試す価値はありますね。無理なようなら、ライナス先生から魔法陣をもらってきましょう」
ああ!ライナス先生の魔法陣があった!精霊王様を解放した今なら使えるはず。
シキが両手を突き出すように、部屋の中央へ向ける。深く息を吸い込んで、呼吸を整えると、念じるように呟いた。
「水の精霊王よ。力を貸し与え給え」
一瞬の静寂ののち、何もない天井から、滝のような勢いの水が降り注いだ。
ライナス先生にもグリード様にも反対されたけど、何が起こるか分からないし、もし何かあった時、4人も守り切れるとは思えなかった。
遺跡は目の前だし、シキにはついてきてもらうからと、何とか説得した。
本当のことを言うと、シキを危険には晒したくなかったけど、それを言うと同じことを言い返されるのが分かってたし、私自身がシキと離れたくなかった。
遺跡は、砂漠にいた昔の王族の居城で、平たく大きなお城は、ほとんどが砂によって崩されていて、残っているのは入口から真っ直ぐ奥に進んだ先にある王の間のみのようだった。
おそらく、そこが精霊のいる場所だろうと思う。
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これ、どうやって触れたらいいの?近づいただけで炭になりそうなんだけど。
あまりの勢いに、部屋の入口から入ることもできない。
「どうしよう?シキ」
「このままでは近づくことすら出来ませんね」
シキは焔から視線を逸らさないまま、考え込む。
普通の火なら水をかければ消えるだろうけど、あの黒い焔は消えそうにない。大体、私に水を出せる魔法が使えるかどうかも分からないし・・・ん?
「ねぇ、シキ。水の精霊王様を解放したよね?シキ、水の魔法使えたりしない?」
私が試してみてもいいけど、私はどっちにしろ解放するために力を使わなければならないから、可能ならシキが使ってくれた方がいい。
「俺の魔法属性は闇なので、水が出せるかは分かりませんが、試す価値はありますね。無理なようなら、ライナス先生から魔法陣をもらってきましょう」
ああ!ライナス先生の魔法陣があった!精霊王様を解放した今なら使えるはず。
シキが両手を突き出すように、部屋の中央へ向ける。深く息を吸い込んで、呼吸を整えると、念じるように呟いた。
「水の精霊王よ。力を貸し与え給え」
一瞬の静寂ののち、何もない天井から、滝のような勢いの水が降り注いだ。
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