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「さて、と」
私は、オーギュスト王国がどんな国なのかは知らない。
そして、何の目的でジェンティアナ王国にやって来たのかも。
だけどアマリアの報告を聞く限り、侵略目的のような感じなのだ。
もちろん、確認する前にこちらから手を出すつもりはないけど。
ザギが結界石を発動させて戻って来たタイミングで、侵入者達の元に転移することにした。
「止まりなさい」
私たちの転移にあわせて、アマリアも私たちの元へやって来た。
「「「!」」」
「この先はジェンティアナ王国王都。何用で立ち入るのか、答えなさい」
目の前に現れた子供の顔を知らなくても、口調と後ろにザギとアマリアを従えていることから、王族と分かるはず。
「半分は人間の紛いものだ!後ろの二人を抑えれば捕らえれるはずだ!いくぞ」
十五人ほどの魔法使いたちの、長なのだろう。
その男の指示で、七人ずつがザギとアマリアに対抗する。
どうやら私のお相手はその長らしい。
「ザギ、アマリア、殺しちゃ駄目だよ」
男の発言内容・・・紛いものという言葉に二人から殺気が溢れてるけど、彼らが少しだけ本気になれば目の前の十五人なんか瞬殺である。
そんなことになったら・・・
「メフィストに叱られるのはやだからね」
「「・・・わかりました」」
渋々だけど、二人とも頷いてくれた。
「殺すだと?いくら魔族といえど、魔王ではないのだ!我々を甘く見るな!」
「甘く見ているのは、そちらでしょう」
アゼリアはかつて筆頭魔術師だった。
それこそ、ドラゴンを倒せるほどの。
そのアゼリアからしても、パパの幹部のみんなは規格外だ。
得意不得意分野はあるけど、それでも多分アゼリアでも勝てない。
目の前の彼らがどれだけの実力者なのか知らないが、何の制限もなく魔王幹部に勝てるわけがない。
「何故、彼らに勝てると思えるのか不思議です」
「それはな、お前が奴らの弱点だからさ」
男は私に向かって、束縛系の魔法を放って来た。
ふーん。
この男、闇系の魔法使いか。
でも、残念。
男の放った魔法は、私を拘束できずにそのまま消滅した。
「・・・は?」
あまりのことに、男はポカンとして動きを止めた。
「先手は譲りましたよ?これは正当防衛ということで」
全く同じ魔法を男に向かって放つ。
私の放った魔法に拘束され、男はその場に転がった。
視線をザギとアマリアに向けると、二人も難なく十四人を拘束し終えたようだ。
「二人とも、怪我は?」
「姫様、姫様!私、ほらっ?ここ!」
アマリアが嬉しそうに、指先にちょこっと負った火傷を見せてくる。
なるほど?火炎系の魔法をわざと受けたのね?
私はその手を優しく握って、その傷を癒した。
私は、オーギュスト王国がどんな国なのかは知らない。
そして、何の目的でジェンティアナ王国にやって来たのかも。
だけどアマリアの報告を聞く限り、侵略目的のような感じなのだ。
もちろん、確認する前にこちらから手を出すつもりはないけど。
ザギが結界石を発動させて戻って来たタイミングで、侵入者達の元に転移することにした。
「止まりなさい」
私たちの転移にあわせて、アマリアも私たちの元へやって来た。
「「「!」」」
「この先はジェンティアナ王国王都。何用で立ち入るのか、答えなさい」
目の前に現れた子供の顔を知らなくても、口調と後ろにザギとアマリアを従えていることから、王族と分かるはず。
「半分は人間の紛いものだ!後ろの二人を抑えれば捕らえれるはずだ!いくぞ」
十五人ほどの魔法使いたちの、長なのだろう。
その男の指示で、七人ずつがザギとアマリアに対抗する。
どうやら私のお相手はその長らしい。
「ザギ、アマリア、殺しちゃ駄目だよ」
男の発言内容・・・紛いものという言葉に二人から殺気が溢れてるけど、彼らが少しだけ本気になれば目の前の十五人なんか瞬殺である。
そんなことになったら・・・
「メフィストに叱られるのはやだからね」
「「・・・わかりました」」
渋々だけど、二人とも頷いてくれた。
「殺すだと?いくら魔族といえど、魔王ではないのだ!我々を甘く見るな!」
「甘く見ているのは、そちらでしょう」
アゼリアはかつて筆頭魔術師だった。
それこそ、ドラゴンを倒せるほどの。
そのアゼリアからしても、パパの幹部のみんなは規格外だ。
得意不得意分野はあるけど、それでも多分アゼリアでも勝てない。
目の前の彼らがどれだけの実力者なのか知らないが、何の制限もなく魔王幹部に勝てるわけがない。
「何故、彼らに勝てると思えるのか不思議です」
「それはな、お前が奴らの弱点だからさ」
男は私に向かって、束縛系の魔法を放って来た。
ふーん。
この男、闇系の魔法使いか。
でも、残念。
男の放った魔法は、私を拘束できずにそのまま消滅した。
「・・・は?」
あまりのことに、男はポカンとして動きを止めた。
「先手は譲りましたよ?これは正当防衛ということで」
全く同じ魔法を男に向かって放つ。
私の放った魔法に拘束され、男はその場に転がった。
視線をザギとアマリアに向けると、二人も難なく十四人を拘束し終えたようだ。
「二人とも、怪我は?」
「姫様、姫様!私、ほらっ?ここ!」
アマリアが嬉しそうに、指先にちょこっと負った火傷を見せてくる。
なるほど?火炎系の魔法をわざと受けたのね?
私はその手を優しく握って、その傷を癒した。
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