23 / 55
上から目線なヤツは嫌い
しおりを挟む
「・・・聞く、から、準備してくれ」
パパ魔王様が苦渋の決断をしたって表情してるけど、そんな顔するなら聞かなきゃ良いのに。
別に、あの国に行かなきゃ二度と会うこともないと思うんだけどな。
「あのね、あの国に行かなきゃ二度と会わないと思うよ?無理に聞かなくてもいいんじゃないの?」
「いや、国交はないが、相手は王族だったんだろう?もしどこかで会って、シアンに何かあったら困る。敵は知っておかなければな」
え?敵なの?
うーん。まぁ私も、上から目線の人は嫌いだけど。
というわけで、ザギの発明品のとうちょうきとやらであの子供の声を聞くことになった。
「ちょっと遠いから・・・僕の魔力を多めに流して・・・と」
『・・・ボソボソボソ・・・』
「音量が小さいな。もうちょっと大きめに・・・」
『ぅるさい!うるさい!うるさーいっ!』
突然、大きな声が聞こえて来て、私はびっくりしてパパ魔王様に抱きついた。
「ごめん、姫様。音量調整が・・・」
「大丈夫、びっくりしただけだから。この声、あの時の男の子の声だね」
大音量で聞こえて来たのは、あの時私に文句を言って来た子供の声だ。
この子、癇癪持ちなのかな?
『しかし、セント様・・・』
『うるさいと言ってるだろっ!出てけっ!』
バタン!ガチャガチャ!
『・・・はぁ』
「これ、あの時の護衛さんだ。飴くれたんだよ」
護衛さんの片方が、殿下がすいませんって、お店で飴を買ってくれた。
「アザレア王国・・・王子でセント・・・」
メフィストがブツブツ言っているので、抱き上げようとするパパ魔王様の腕をペシペシ叩いて下ろしてもらうと、前に立ってメフィストを見上げる。
「メフィスト、知ってるの?」
「シアン様、お勉強したことを覚えていらっしゃいますか?人間のサザンウィンド王国の話です」
「うん。滅んだんだよね?百二十年前」
アゼリアが王太子に言われてドラゴンを倒しちゃったことが発端で、滅んだんだよね。
でもあれって、王太子が悪いと思う。
アゼリアは権力者に言われた通りにしただけだもん。
しかもあの男、ドラゴンを利用してアゼリアを殺そうとしてたんだよね。
でも、滅んだ国がどう関わってくるの?
「アザレア王国の王族は、サザンウィンド王国の血を引いていると言われています」
「え?でも、滅んだって」
「サザンウィンド王国が滅んだ時代の王太子の子供が生きていて、アザレア王国の先代国王という噂です。事実かどうかは分かりませんが」
滅んだ時代の王太子の子供?
それってあの王太子の子供ってこと?
パパ魔王様が苦渋の決断をしたって表情してるけど、そんな顔するなら聞かなきゃ良いのに。
別に、あの国に行かなきゃ二度と会うこともないと思うんだけどな。
「あのね、あの国に行かなきゃ二度と会わないと思うよ?無理に聞かなくてもいいんじゃないの?」
「いや、国交はないが、相手は王族だったんだろう?もしどこかで会って、シアンに何かあったら困る。敵は知っておかなければな」
え?敵なの?
うーん。まぁ私も、上から目線の人は嫌いだけど。
というわけで、ザギの発明品のとうちょうきとやらであの子供の声を聞くことになった。
「ちょっと遠いから・・・僕の魔力を多めに流して・・・と」
『・・・ボソボソボソ・・・』
「音量が小さいな。もうちょっと大きめに・・・」
『ぅるさい!うるさい!うるさーいっ!』
突然、大きな声が聞こえて来て、私はびっくりしてパパ魔王様に抱きついた。
「ごめん、姫様。音量調整が・・・」
「大丈夫、びっくりしただけだから。この声、あの時の男の子の声だね」
大音量で聞こえて来たのは、あの時私に文句を言って来た子供の声だ。
この子、癇癪持ちなのかな?
『しかし、セント様・・・』
『うるさいと言ってるだろっ!出てけっ!』
バタン!ガチャガチャ!
『・・・はぁ』
「これ、あの時の護衛さんだ。飴くれたんだよ」
護衛さんの片方が、殿下がすいませんって、お店で飴を買ってくれた。
「アザレア王国・・・王子でセント・・・」
メフィストがブツブツ言っているので、抱き上げようとするパパ魔王様の腕をペシペシ叩いて下ろしてもらうと、前に立ってメフィストを見上げる。
「メフィスト、知ってるの?」
「シアン様、お勉強したことを覚えていらっしゃいますか?人間のサザンウィンド王国の話です」
「うん。滅んだんだよね?百二十年前」
アゼリアが王太子に言われてドラゴンを倒しちゃったことが発端で、滅んだんだよね。
でもあれって、王太子が悪いと思う。
アゼリアは権力者に言われた通りにしただけだもん。
しかもあの男、ドラゴンを利用してアゼリアを殺そうとしてたんだよね。
でも、滅んだ国がどう関わってくるの?
「アザレア王国の王族は、サザンウィンド王国の血を引いていると言われています」
「え?でも、滅んだって」
「サザンウィンド王国が滅んだ時代の王太子の子供が生きていて、アザレア王国の先代国王という噂です。事実かどうかは分かりませんが」
滅んだ時代の王太子の子供?
それってあの王太子の子供ってこと?
59
お気に入りに追加
701
あなたにおすすめの小説

〈完結〉毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
【完結】魔王様、溺愛しすぎです!
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
「パパと結婚する!」
8万年近い長きにわたり、最強の名を冠する魔王。勇者を退け続ける彼の居城である『魔王城』の城門に、人族と思われる赤子が捨てられた。その子を拾った魔王は自ら育てると言い出し!? しかも溺愛しすぎて、周囲が大混乱!
拾われた子は幼女となり、やがて育て親を喜ばせる最強の一言を放った。魔王は素直にその言葉を受け止め、嫁にすると宣言する。
シリアスなようでコメディな軽いドタバタ喜劇(?)です。
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
【表紙イラスト】しょうが様(https://www.pixiv.net/users/291264)
挿絵★あり
【完結】2021/12/02
※2022/08/16 第3回HJ小説大賞前期「小説家になろう」部門 一次審査通過
※2021/12/16 第1回 一二三書房WEB小説大賞、一次審査通過
※2021/12/03 「小説家になろう」ハイファンタジー日間94位
※2021/08/16、「HJ小説大賞2021前期『小説家になろう』部門」一次選考通過作品
※2020年8月「エブリスタ」ファンタジーカテゴリー1位(8/20〜24)
※2019年11月「ツギクル」第4回ツギクル大賞、最終選考作品
※2019年10月「ノベルアップ+」第1回小説大賞、一次選考通過作品
※2019年9月「マグネット」ヤンデレ特集掲載作品
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
本日、貴方を愛するのをやめます~王妃と不倫した貴方が悪いのですよ?~
なか
恋愛
私は本日、貴方と離婚します。
愛するのは、終わりだ。
◇◇◇
アーシアの夫––レジェスは王妃の護衛騎士の任についた途端、妻である彼女を冷遇する。
初めは優しくしてくれていた彼の変貌ぶりに、アーシアは戸惑いつつも、再び振り向いてもらうため献身的に尽くした。
しかし、玄関先に置かれていた見知らぬ本に、謎の日本語が書かれているのを見つける。
それを読んだ瞬間、前世の記憶を思い出し……彼女は知った。
この世界が、前世の記憶で読んだ小説であること。
レジェスとの結婚は、彼が愛する王妃と密通を交わすためのものであり……アーシアは王妃暗殺を目論んだ悪女というキャラで、このままでは断罪される宿命にあると。
全てを思い出したアーシアは覚悟を決める。
彼と離婚するため三年間の準備を整えて、断罪の未来から逃れてみせると……
この物語は、彼女の決意から三年が経ち。
離婚する日から始まっていく
戻ってこいと言われても、彼女に戻る気はなかった。
◇◇◇
設定は甘めです。
読んでくださると嬉しいです。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…
まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。
しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。
選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。
選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。
貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…?
☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる