その転生幼女、取り扱い注意〜稀代の魔術師は魔王の娘になりました〜

みおな

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家出

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「そんなことが・・・かしこまりました。ザギ様、どうかシアン様をよろしくお願いします」

 フラウに、自分の気持ちも素直に明かした。
 ザギにそうした方がいいと言われたからだ。

 残す彼女には、何もかも話しておく方がいいと言われたのだ。心配させないためにも、と。

 そうまで言われると、思ったことを話さないわけにはいかない。

 だから、正直に話した。

 魔王様の再婚について聞いた時、どう思ったか。どう考えたか。

 そしてそれを聞いたフラウは、快く?家出の準備をしてくれた。

「連絡したい時は、これに魔力を流してね。そしたら、僕に連絡が来るようになってるから」

 ザギがフラウに、手のひらサイズの何かを渡している。

「ザギ、なぁに?それ」

「これに魔力を流すと、対になった器具が光るようになってるんだ。僕の種族なら、離れてても僕に連絡がとれる。せっかくの家出だからね。ちゃんと陛下たちには見てもらわなきゃね」

 ザギの言ってることはわからなかったけど、フラウが頷いてたから、大丈夫なのかな、と思う。

「手紙、書けた?じゃ、行こうか。猫ちゃんは姫様が抱いててね」

「うん。じゃあ、フラウ行ってくるね」

「はい、姫様。お帰りをお待ちしております」

「家出なのに、変なの」

 私がそう言って笑うと、フラウもそうですね、と笑った。

 家出だというのに、私はその辺に遊びに行くような気持ちでミィを抱き上げた。

「じゃ、行くよ」

「ミィ、良い子にしててね」

「みゃあ」

 ミィの頭を撫でると、おとなしく私の腕の中で丸くなった。

 ザギは私を抱き上げると、窓を大きく開けて窓枠に足をかける。

 そのまま外に出ると、ザギの背中にコウモリのような羽が広がった。

「羽!」

魔王城ここで転移魔法を使うと、魔王様やメフィストに察知されちゃうからね。少し距離を取ってから転移しよう。さて、どこへ行きたい?」

「ザギのお家に行くんじゃないの?」

「それじゃすぐ見つかっちゃうでしょ?せめて一日は心配させないとね。で、どこ行きたい?」

 ザギのお屋敷に行くものばかりだと思っていたから・・・

 行きたいところ、か。

「人間の国に行ってみたい。離れた場所から見るだけでもいいから」

「オッケー。じゃあ、姫様のお母様の育った国に行ってみようか。近くまで転移で飛ぶね。あ。人間に魔族ってバレないようにね。あの国は魔王妃様が魔王様に嫁いだこともあって、あんまり魔族に友好的じゃないんだ」

「分かった。バレないようにする」

「良い子」

 しばらく空を飛んだ後、ザギは転移魔法を発動した。
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