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攻略対象者その2
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「リアナ、まだ病み上がりなのだから気をつけるんだよ」
私の頬に手を添えながら、シオンが微笑む。
女子生徒の声にならない黄色い悲鳴が教室に響いた。
分かるよ、うん。
分かるんだけど、相手が違うと言いたい。その微笑みはヒロインであるフローラに向けるものだから!
「お兄様、大丈夫ですわ」
「ソル、リアナから離れるなよ」
「承知しました」
過保護過ぎない?というか、ソルって1歳年上よね?どうして同じ教室にいるの?
シオンが自分の教室に戻ったあと、当然のように隣の席に座るソルに、疑問をぶつけてみる。
「ソルって年上よね?どうして同じ教室にいるの?」
「護衛が別の教室にいたのでは意味がないでしょう」
いや、そんな当たり前のことのように言われても。
うーん、本来ソルが出てくるのって来年だから、ソルと一緒に授業受ける設定とか作ってなかったはずなんだけど。
花乙ってフローラ目線だからなぁ。
リアナって嫌がらせする時しか出てこないし。
シオンってフローラと友達って言ってたけど、来年、卒業したら婚約するんだよね?
そういや、どうして倒れた時にフローラが医務室に来たんだろ。フローラに関わるのって、婚約してからだったはずじゃなかったっけ。
ゲーム設定との相違に頭を悩ませていた私は、ソルがジッと私を見ていたことなど、全く気づかなかった。
「リアナ様!」
学園での昼食は、全生徒がカフェテリアで取るというので、ソルと早めに向かうと、入口を入った途端にフローラから抱きつかれた。
フローラ、相変わらず凶器な胸をお持ちで。胸に圧迫されて、息が・・・
「ダイアンサス伯爵令嬢、リアナ様が窒息します。離れて下さい」
ソルの冷ややかな声が聞こえて、グイッと引き寄せられた。そのままソルの胸にもたれかかってしまう。
「ひゃっ・・・」
「リアナ様?」
「な、なんでもない」
思ってたよりしっかりした胸板に、男の人なんだなぁなんて思ったなんて。
いやいやいやいや、彼、暗殺者だから!私、彼に瞬殺されちゃうから!
「リアナ様、ごめんなさい。お会いできて嬉しくて」
「入口で何をしてるんだい?僕の可愛いリアナ」
謝ってくれるフローラの後ろから、シオンの声が聞こえる。
ソルの胸から急いで離れて入口を見ると、シオンと、少し長めの髪を一纏めにした背の高い青年が立っていた。
攻略対象者ハロルド・サンセット。宰相であるサンセット公爵の嫡男で、シオンの側近になる青年。
「へぇ。君がシオンのお気に入りのお姫様か。確かに可愛いね」
ハロルドの言葉に、私は目を丸くした。ハロルド、何言ってるの?シオンのお気に入りはフローラでしょう?
「リアナ、一緒に食事をしよう」
シオンが私をエスコートするべく手を差し出してくるけど、私はその手を取ったりはしない。
「お兄様、この場合は私ではなくフローラ様をエスコートなさるべきでは?」
「リアナ様、私は構いませんわ」
「では、僕が姫君をエスコートさせていただこう」
ハロルドが手を差し出してくる。
えーと、どうなってるの?ハロルドもフローラ推しのはずでしょう?
だけど、ここで手を取らないわけにはいかない。恥をかかせてしまうものね。
私はおずおずとハロルドの手を取った。シオンが何故か不本意そうにフローラをエスコートしているけど、意味がわからないわ。何でそんなに不満そうなの?
大体、私は攻略対象者と距離を置きたいのに!異母兄であるシオンと護衛になったソルは諦めるとして、その他の方々、私に近づいてこないで!
私の頬に手を添えながら、シオンが微笑む。
女子生徒の声にならない黄色い悲鳴が教室に響いた。
分かるよ、うん。
分かるんだけど、相手が違うと言いたい。その微笑みはヒロインであるフローラに向けるものだから!
「お兄様、大丈夫ですわ」
「ソル、リアナから離れるなよ」
「承知しました」
過保護過ぎない?というか、ソルって1歳年上よね?どうして同じ教室にいるの?
シオンが自分の教室に戻ったあと、当然のように隣の席に座るソルに、疑問をぶつけてみる。
「ソルって年上よね?どうして同じ教室にいるの?」
「護衛が別の教室にいたのでは意味がないでしょう」
いや、そんな当たり前のことのように言われても。
うーん、本来ソルが出てくるのって来年だから、ソルと一緒に授業受ける設定とか作ってなかったはずなんだけど。
花乙ってフローラ目線だからなぁ。
リアナって嫌がらせする時しか出てこないし。
シオンってフローラと友達って言ってたけど、来年、卒業したら婚約するんだよね?
そういや、どうして倒れた時にフローラが医務室に来たんだろ。フローラに関わるのって、婚約してからだったはずじゃなかったっけ。
ゲーム設定との相違に頭を悩ませていた私は、ソルがジッと私を見ていたことなど、全く気づかなかった。
「リアナ様!」
学園での昼食は、全生徒がカフェテリアで取るというので、ソルと早めに向かうと、入口を入った途端にフローラから抱きつかれた。
フローラ、相変わらず凶器な胸をお持ちで。胸に圧迫されて、息が・・・
「ダイアンサス伯爵令嬢、リアナ様が窒息します。離れて下さい」
ソルの冷ややかな声が聞こえて、グイッと引き寄せられた。そのままソルの胸にもたれかかってしまう。
「ひゃっ・・・」
「リアナ様?」
「な、なんでもない」
思ってたよりしっかりした胸板に、男の人なんだなぁなんて思ったなんて。
いやいやいやいや、彼、暗殺者だから!私、彼に瞬殺されちゃうから!
「リアナ様、ごめんなさい。お会いできて嬉しくて」
「入口で何をしてるんだい?僕の可愛いリアナ」
謝ってくれるフローラの後ろから、シオンの声が聞こえる。
ソルの胸から急いで離れて入口を見ると、シオンと、少し長めの髪を一纏めにした背の高い青年が立っていた。
攻略対象者ハロルド・サンセット。宰相であるサンセット公爵の嫡男で、シオンの側近になる青年。
「へぇ。君がシオンのお気に入りのお姫様か。確かに可愛いね」
ハロルドの言葉に、私は目を丸くした。ハロルド、何言ってるの?シオンのお気に入りはフローラでしょう?
「リアナ、一緒に食事をしよう」
シオンが私をエスコートするべく手を差し出してくるけど、私はその手を取ったりはしない。
「お兄様、この場合は私ではなくフローラ様をエスコートなさるべきでは?」
「リアナ様、私は構いませんわ」
「では、僕が姫君をエスコートさせていただこう」
ハロルドが手を差し出してくる。
えーと、どうなってるの?ハロルドもフローラ推しのはずでしょう?
だけど、ここで手を取らないわけにはいかない。恥をかかせてしまうものね。
私はおずおずとハロルドの手を取った。シオンが何故か不本意そうにフローラをエスコートしているけど、意味がわからないわ。何でそんなに不満そうなの?
大体、私は攻略対象者と距離を置きたいのに!異母兄であるシオンと護衛になったソルは諦めるとして、その他の方々、私に近づいてこないで!
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