ヒロイン転生〜ざまあお断り！私はモブとして幸せになりたいのです〜

転生チートというやつです

　魔道具屋さんは・・・
結論から言って、最高です！ずっといられます。ここで働きたいです。

　魔力を込めたブレスレットや、ペンダント、水晶玉もあります。キラキラです。素敵です。

「何か気に入ったものあった？」

　棚をワクワクと見ていると、アルフレッド様が近寄って来ました。これは、あったと言ったら買われてしまうヤツな気がします。
　だから、言いませんよ。後でアルク兄様に買ってもらいましょう。

「いえ。色々あって目移りします」

「ローズには魔力がないんだよね？」

「はい。私は平民でしたから。残念ながらお母様の魔力は継げなかったみたいです」

　私には魔力はありません。
ちなみに、王族であるアルフレッド様にも魔力はありません。

　王族は代々、月の精霊様の加護を受けていると言われています。
　その加護の大きい方は銀髪に銀の瞳だそうです。
　まさに、アルフレッド様がそのご容姿です。現国王陛下も、アルフレッド様と同じ銀の髪に銀の瞳です。
　第２王子であるレオンハルト殿下は金の髪ですから、アルフレッド様の方が加護の力が大きいということになります。

　精霊様の加護は、魔力とは全く違うものです。

　魔力は、自分の中にあり、制限のある力です。例えるなら、バケツに入った水みたいなものです。バケツの容量以上の力は出せないし、水がなくなれば魔力は使えません。

　訓練だったり、個人の能力によってバケツの大きさは変わりますが、その容量が永遠になることはありません。

　精霊様の加護は、その制限がありません。精霊様に見限られれば使えなくなりますが、精霊様が力を貸してくださるので、その力が枯渇することはないのです。

　これは、ゲームの設定として書かれてありましたので、よく覚えています。

　そして、その設定として、本当ならローズ・ジェラルドには聖魔法を使える魔力が宿っているはずなのです。

　そうです。乙女ゲームのヒロインの特徴である聖女の力です。

　どうして、ヒロインといえば聖女だなんて、そんな力を持ってるんですかね。
　ざまあをされるヒロインもどきは魅了持ちですし。何か、そういう決まり事なんでしょうか。

　本当なら、と言ったように、私には聖魔法の力は宿っていません。
　やりました！これで、ヒロイン枠から外れたということでしょうか。
　ちょっと嬉しいです。ヒロインもどきの魅了の力も持っていません。最高です。

　ただ。
残念なことに、私は創造神様の加護を受けているようです。

　なんですか、それ。転生チートってやつですか？返品可能なら返品させてください。