45 / 51
44
しおりを挟む
「少し慣れるために普段から履いておこうかしら」
前世では履いていたけど、さすがにドレス姿では歩きにくいかもしれない。
それにダンスも踊らなきゃだし。
ああ。もちろんダンスの練習はちゃんとしてある。
王女として転生し、家族との関係も改善する中で、マナーもダンスも勉強も、ひととおり頑張った。
最初は、シスコンを拗らせていたエルム兄様がダンスの練習相手だったけど、シスルと婚約してからは、王宮でシスルがダンスの相手を務めてくれた。
というか、エルム兄様を相手にしていると、シスルがブラック化したので、極力シスルとしか踊らないようにした。
なので蝉状態とはいえど、シスルとのダンスには、不安はない。
「姫様。フロックス公爵令息様がいらっしゃいました」
「お通しして」
私が応えると、シスルが女性と共に現れた。
「あら?リーズ様」
「アイリス姫様。今日はドレスの採寸に参りましたわ~」
「・・・今日もお元気で何よりですわ」
リーズ様は男爵家の次女の方で、婚約者だったテーラーの方と成婚後に、正式にドレスデザイナーとして活躍されている。
リーズ様は、とても腕の良いデザイナーで、王家御用達でもあるんだけど・・・
ちょーっとテンションが高めというか、何というか。
正真正銘の女性なのだけど、どこかオネエ感があるのよね。
私的には好きだけど、貴族の中には、合わない人も多いみたい。
「舞踏会用のドレスですけど!何色になさいます?アイリス姫様は可愛らしいですから、淡いお色が似合いますわ~!」
「そうですね。まだシスル様のお色一色にするには、私は子供ですから・・・シスル様、薄紫のシャツでも良いかしら?」
シスルの髪と瞳の銀一色のドレスだと、私には大人っぽ過ぎるのだ。
どちらにしろシスルは、私の薄紫と淡いピンクのどちらかを衣装に入れるから、私もその色のドレスにするつもりだ。
「うん」
「なら、リーズ様。薄紫に銀の刺繍をお願いします」
「かしこまりましたわ。では採寸いたしますから、フロックス様は一旦出ていて下さいな」
ドレスはピッタリしたものになるから、下着姿での採寸になる。
いくら婚約者といえど、肌を晒すわけにはいかない。
シスルが退室してから、シーラに着替えを手伝ってもらい、採寸する。
「リーズ様。ドレス丈は、これを履いた状態で、足が見えないようにお願いします」
「あら?あら。あら。踵だけでなく、全体的に底が厚みがありますのね。踵も随分と太いですわ。あら、まぁ!背が高くなりましたわ」
「大木に蝉では、シスル様に恥をかかせてしまいますもの。これなら少しは格好がつくでしょう?」
私は厚底ブーツを履いて、にっこりと微笑んだ。
前世では履いていたけど、さすがにドレス姿では歩きにくいかもしれない。
それにダンスも踊らなきゃだし。
ああ。もちろんダンスの練習はちゃんとしてある。
王女として転生し、家族との関係も改善する中で、マナーもダンスも勉強も、ひととおり頑張った。
最初は、シスコンを拗らせていたエルム兄様がダンスの練習相手だったけど、シスルと婚約してからは、王宮でシスルがダンスの相手を務めてくれた。
というか、エルム兄様を相手にしていると、シスルがブラック化したので、極力シスルとしか踊らないようにした。
なので蝉状態とはいえど、シスルとのダンスには、不安はない。
「姫様。フロックス公爵令息様がいらっしゃいました」
「お通しして」
私が応えると、シスルが女性と共に現れた。
「あら?リーズ様」
「アイリス姫様。今日はドレスの採寸に参りましたわ~」
「・・・今日もお元気で何よりですわ」
リーズ様は男爵家の次女の方で、婚約者だったテーラーの方と成婚後に、正式にドレスデザイナーとして活躍されている。
リーズ様は、とても腕の良いデザイナーで、王家御用達でもあるんだけど・・・
ちょーっとテンションが高めというか、何というか。
正真正銘の女性なのだけど、どこかオネエ感があるのよね。
私的には好きだけど、貴族の中には、合わない人も多いみたい。
「舞踏会用のドレスですけど!何色になさいます?アイリス姫様は可愛らしいですから、淡いお色が似合いますわ~!」
「そうですね。まだシスル様のお色一色にするには、私は子供ですから・・・シスル様、薄紫のシャツでも良いかしら?」
シスルの髪と瞳の銀一色のドレスだと、私には大人っぽ過ぎるのだ。
どちらにしろシスルは、私の薄紫と淡いピンクのどちらかを衣装に入れるから、私もその色のドレスにするつもりだ。
「うん」
「なら、リーズ様。薄紫に銀の刺繍をお願いします」
「かしこまりましたわ。では採寸いたしますから、フロックス様は一旦出ていて下さいな」
ドレスはピッタリしたものになるから、下着姿での採寸になる。
いくら婚約者といえど、肌を晒すわけにはいかない。
シスルが退室してから、シーラに着替えを手伝ってもらい、採寸する。
「リーズ様。ドレス丈は、これを履いた状態で、足が見えないようにお願いします」
「あら?あら。あら。踵だけでなく、全体的に底が厚みがありますのね。踵も随分と太いですわ。あら、まぁ!背が高くなりましたわ」
「大木に蝉では、シスル様に恥をかかせてしまいますもの。これなら少しは格好がつくでしょう?」
私は厚底ブーツを履いて、にっこりと微笑んだ。
25
お気に入りに追加
304
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
愛のゆくえ【完結】
春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした
ですが、告白した私にあなたは言いました
「妹にしか思えない」
私は幼馴染みと婚約しました
それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか?
☆12時30分より1時間更新
(6月1日0時30分 完結)
こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね?
……違う?
とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。
他社でも公開
お城で愛玩動物を飼う方法
月白ヤトヒコ
恋愛
婚約を解消してほしい、ですか?
まあ! まあ! ああ、いえ、驚いただけですわ。申し訳ありません。理由をお伺いしても宜しいでしょうか?
まあ! 愛する方が? いえいえ、とても素晴らしいことだと思いますわ。
それで、わたくしへ婚約解消ですのね。
ええ。宜しいですわ。わたくしは。
ですが……少しだけ、わたくしの雑談に付き合ってくださると嬉しく思いますわ。
いいえ? 説得などするつもりはなど、ございませんわ。……もう、無駄なことですので。
では、そうですね。殿下は、『ペット』を飼ったことがお有りでしょうか?
『生き物を飼う』のですから。『命を預かる』のですよ? 適当なことは、赦されません。
設定はふわっと。
※読む人に拠っては胸くそ。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
悪役令嬢が攻略対象の幸せを願っては駄目ですか?
こうやさい
恋愛
乙女ゲームの最萌えルートの義妹かつ悪役令嬢に転生している事に気づいた。
・細切れです
・三話目までは一日一話投稿します
・その後は順次最新話のしおり数が前話のしおり数を超えるかつ五以上あるときに予約します
・投稿時間の変更は今回予定しておりません
・確認も予約も手動なので状況によっては条件を満たしていても遅れる事があります
・今後の参考にするために考えたやり方なので非実在他の読者のために読んでないのにしおりを付けたり進めたりする事はご遠慮下さい
・二週間経っても前話のしおり数を超えない、最新話のしおり数が五に満たない、その他これ以上参考にならないと判断した場合、あるいは運営に怒られた場合はこの更新方法は中止します。その後の更新をどうするかは未定です
・内容的にはいつものです
・一応完結しているシロモノですが、途中で問題を見つけた場合、上記の条件に関係なく更新停止する可能性があります
・条件を満たさない間に他の話を更新をする可能性があります
本編以外はセルフパロディです。本編のイメージ及び設定を著しく損なう可能性があります。ご了承ください。
ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍化決定
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる