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しおりを挟む アスター・クリサンセマム。
クリサンセマム侯爵家の嫡男で、乙女ゲーム『花盗人の日記』の中では落ち着いたお兄ちゃんキャラだ。
「あー!アスターずるい!」
給仕をしていたタンポポの綿毛の様な、ふわふわの胡桃色の髪と瞳の、小柄な少年がやって来る。
「シーダ」
「こんにちは、陛下、王妃様。そして可愛らしいお姫様」
ニコニコと笑顔の、女装したら私より可愛いかもしれない男の子に、可愛らしいと言われても。
シーダ・ウォールナット。
ウォールナット伯爵家の嫡男で、乙女ゲームの甘えん坊の弟キャラ。
「トリヤとシスルもご挨拶したら?こんな機会、二度とないかもよ」
「あー。殿下の独占欲はものすごいもんな。はじめまして、エルム殿下の至宝の姫君」
「・・・はじめまして」
トリヤ・ダフォディル。
深紅の髪と漆黒の瞳の、ダフォディル伯爵家の嫡男。
ヒロインと幼い頃に出会っている、幼馴染キャラだ。
そしてー
シスル・フロックス。
フロックス公爵家の嫡男で、ちょっとツンデレの、私の推し!
銀色の髪と瞳の彼が、リアルに目の前にいる!
銀の猫耳を付けた推し、尊いッ!!
「はじめまして、アイリスと申します」
立ち上がって、この日着ていたピンク色のワンピースをちょこんと摘んで挨拶する。
目の前の推しに、思わず笑顔になった。
「うわっ!可愛い過ぎ」
「誰だよ、可愛いけど人形みたいに表情変わらないなんて言ったやつ。めっちゃ天使じゃん」
「当然だ!それより誰だ?僕のアイリスのことをそんなふうに言ったやつは!」
「後でご報告しますよ。しかし、本当にこの世のものとは思えない愛らしさですね」
シスルを除く四人が、アイリスの容姿を褒めてるけど、確かにアイリスは可愛い。
アイリスになった頃よりは、多少表情筋も仕事をする様になり、何より家族と交流をすることで、アイリスの雰囲気は柔らかくなった。
推しだけが可愛いと言ってくれなかったことは寂しいが、まぁゲームが進行すれば彼ら攻略対象は、みんなヒロインに惹かれていく。
もちろん、攻略次第で好感度は上がったり下がったりするわけだけど、彼らの心を奪うのはヒロインであって、モブですらないアイリスではない。
そういえば、攻略対象が全員揃っているということは、ヒロインもいるはず。
ゲームの都合上か、全員Sクラスなんだから。
キョロキョロと金髪のウサギを探すけれど、給仕には出ていない。
おかしいな。
確か、可愛らしいヒロインは給仕係だったはずなんだけど。
「うん?どうした、アイリス?」
「え、あ、いえ。皆様の猫耳もウサギのお耳も可愛いと思ったのです」
まさか、ヒロイン探してます!なんて言うわけにもいかず、ヘラッと笑って誤魔化した。
ヒロイン、どこ行ったの~!
クリサンセマム侯爵家の嫡男で、乙女ゲーム『花盗人の日記』の中では落ち着いたお兄ちゃんキャラだ。
「あー!アスターずるい!」
給仕をしていたタンポポの綿毛の様な、ふわふわの胡桃色の髪と瞳の、小柄な少年がやって来る。
「シーダ」
「こんにちは、陛下、王妃様。そして可愛らしいお姫様」
ニコニコと笑顔の、女装したら私より可愛いかもしれない男の子に、可愛らしいと言われても。
シーダ・ウォールナット。
ウォールナット伯爵家の嫡男で、乙女ゲームの甘えん坊の弟キャラ。
「トリヤとシスルもご挨拶したら?こんな機会、二度とないかもよ」
「あー。殿下の独占欲はものすごいもんな。はじめまして、エルム殿下の至宝の姫君」
「・・・はじめまして」
トリヤ・ダフォディル。
深紅の髪と漆黒の瞳の、ダフォディル伯爵家の嫡男。
ヒロインと幼い頃に出会っている、幼馴染キャラだ。
そしてー
シスル・フロックス。
フロックス公爵家の嫡男で、ちょっとツンデレの、私の推し!
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銀の猫耳を付けた推し、尊いッ!!
「はじめまして、アイリスと申します」
立ち上がって、この日着ていたピンク色のワンピースをちょこんと摘んで挨拶する。
目の前の推しに、思わず笑顔になった。
「うわっ!可愛い過ぎ」
「誰だよ、可愛いけど人形みたいに表情変わらないなんて言ったやつ。めっちゃ天使じゃん」
「当然だ!それより誰だ?僕のアイリスのことをそんなふうに言ったやつは!」
「後でご報告しますよ。しかし、本当にこの世のものとは思えない愛らしさですね」
シスルを除く四人が、アイリスの容姿を褒めてるけど、確かにアイリスは可愛い。
アイリスになった頃よりは、多少表情筋も仕事をする様になり、何より家族と交流をすることで、アイリスの雰囲気は柔らかくなった。
推しだけが可愛いと言ってくれなかったことは寂しいが、まぁゲームが進行すれば彼ら攻略対象は、みんなヒロインに惹かれていく。
もちろん、攻略次第で好感度は上がったり下がったりするわけだけど、彼らの心を奪うのはヒロインであって、モブですらないアイリスではない。
そういえば、攻略対象が全員揃っているということは、ヒロインもいるはず。
ゲームの都合上か、全員Sクラスなんだから。
キョロキョロと金髪のウサギを探すけれど、給仕には出ていない。
おかしいな。
確か、可愛らしいヒロインは給仕係だったはずなんだけど。
「うん?どうした、アイリス?」
「え、あ、いえ。皆様の猫耳もウサギのお耳も可愛いと思ったのです」
まさか、ヒロイン探してます!なんて言うわけにもいかず、ヘラッと笑って誤魔化した。
ヒロイン、どこ行ったの~!
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