乙女ゲームの正しい進め方

みおな

文字の大きさ
上 下
14 / 51

13

しおりを挟む
 私が転生して数ヶ月わかったことはモブの私が異常なまでに主人公補正たち好かれること。そして避けようが避けられない。

 「よっ!この俺様がまだ来てやったぞ」
  
 「はい。そうですね。殿下」
  
 「名前で呼べ」

 「へっ?」

 「名前で呼んでほしい」

 「る、ルプ様」

 「おう!」

 モニーク家

 「やあ!僕の妖精さん。僕のことは気軽に名前で呼んでね」

 「あっはい。グレン様」

 なにこの状況。いきなりやって来たかと思えば私の部屋に居座っている。女子の部屋にきてもなんの躊躇いもない。主人公補正怖っ‼︎

 「ユリアじゃねぇかよ!俺の馬に乗れよ。風になろうぜ」
  
 「は、はい」

 いやああ‼︎千の風になる!

 毎日毎回のように私に会いに来る。本物のヒロインどうした⁉︎私は名もないモブよ!私が読んでいた魔法学園の危機を救えには出てきたことがない名前だもん!

 この話はとあるヒロインが中心となっている。ヒロインは悪魔に取り憑かれており主人公補正たちが彼女を救い結婚する乙女の象徴だ。

 髪は綺麗な金髪で瞳はピンクローズの色。一方で私は髪は水色で瞳は金色。目だけは異常に目立つ。それだけのモブだ。

 「本当にモブが主人公補正たちにモテまくるって最悪なんですけど......」

 ひとりの時間がない。

 ガシッ

 「え?えっ⁉︎アグ様‼︎どこに行くんですか?」

 「お前に見せたい景色があるんだ」

 連れて行かれた先には

 「うわー。綺麗な花園」

 「ここは俺のとっておきな秘密の場所さ。お前だから教えるんだ」
  
 「そうなのですね」

 「俺はお前みたいな平凡な貴族には会ったことがないけどその面白いやつだって思っている。俺にはないものを持ってって羨ましいよ」

 「......アグ様」

 「俺はユリアが大好きだ。今すぐに返事が欲しいわけじゃない。もし俺を選んでくれるなら......後悔だけはされない」
  
 「あ、アグ様⁉︎」

 「帰ろうか。俺はお前を手放さないから」

 「......はい」

 告白なんて初めてされた。アグ.イングリッシュ家は小説の中でもなかりの資産家だったはず。彼は剣の才能がある。とてもやんちゃではあるが一途な可愛らしい男の子。

 「私は......モブ。いつかヒロインが現れたら私なんか眼中になくなるのだから......だから優しくなんてしないでよ」

 怖い。いつか主人公補正たちに冷たくあしらわれて軽蔑な目で私を見る三人の姿を想像するだけで吐きそう。

 「ユリア⁇」

 「グレン様⁇」
  
 いつの間に来ていたの?昨日も一昨日も来てたよね?

 「ユリア⁇顔色が悪いよ?」

 「なんでもありません」

 「ふーん。僕もに隠し事するなんて妖精さんら駄目だねぇ?」

 「あっやば!」

 「お仕置きかなぁ?」

 そう。さわやかそうに見えるこのグレン様は実は超がつくほどのドSなのだ。

 その後三時間にも及ぶお仕置きタイムが待っていたのでした。

 「いやあああああああ⁉︎」
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい

咲桜りおな
恋愛
 オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。 見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!  殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。 ※糖度甘め。イチャコラしております。  第一章は完結しております。只今第二章を更新中。 本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。 本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。 「小説家になろう」でも公開しています。

嫁ぎ先は悪役令嬢推しの転生者一家でした〜攻略対象者のはずの夫がヒロインそっちのけで溺愛してくるのですが、私が悪役令嬢って本当ですか?〜

As-me.com
恋愛
 事業の失敗により借金で没落寸前のルーゼルク侯爵家。その侯爵家の一人娘であるエトランゼは侯爵家を救うお金の為に格下のセノーデン伯爵家に嫁入りすることになってしまった。  金で買われた花嫁。政略結婚は貴族の常とはいえ、侯爵令嬢が伯爵家に買われた事実はすぐに社交界にも知れ渡ってしまう。 「きっと、辛い生活が待っているわ」  これまでルーゼルク侯爵家は周りの下位貴族にかなりの尊大な態度をとってきた。もちろん、自分たちより下であるセノーデン伯爵にもだ。そんな伯爵家がわざわざ借金の肩代わりを申し出てまでエトランゼの嫁入りを望むなんて、裏があるに決まっている。エトランゼは、覚悟を決めて伯爵家にやってきたのだがーーーー。 義母「まぁぁあ!やっぱり本物は違うわぁ!」 義妹「素敵、素敵、素敵!!最推しが生きて動いてるなんてぇっ!美しすぎて眼福ものですわぁ!」 義父「アクスタを集めるためにコンビニをはしごしたのが昨日のことのようだ……!(感涙)」  なぜか私を大歓喜で迎え入れてくれる伯爵家の面々。混乱する私に優しく微笑んだのは夫となる人物だった。 「うちの家族、みんな君の大ファンなんです。悪役令嬢エトランゼのねーーーー」  実はこの世界が乙女ゲームの世界で、私が悪役令嬢ですって?!  えーと、まず、悪役令嬢ってなんなんですか……?!

悪役令嬢はモブ化した

F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。 しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す! 領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。 「……なんなのこれは。意味がわからないわ」 乙女ゲームのシナリオはこわい。 *注*誰にも前世の記憶はありません。 ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。 性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。 作者の趣味100%でダンジョンが出ました。

悪役令嬢が攻略対象の幸せを願っては駄目ですか?

こうやさい
恋愛
 乙女ゲームの最萌えルートの義妹かつ悪役令嬢に転生している事に気づいた。 ・細切れです ・三話目までは一日一話投稿します ・その後は順次最新話のしおり数が前話のしおり数を超えるかつ五以上あるときに予約します ・投稿時間の変更は今回予定しておりません ・確認も予約も手動なので状況によっては条件を満たしていても遅れる事があります ・今後の参考にするために考えたやり方なので非実在他の読者のために読んでないのにしおりを付けたり進めたりする事はご遠慮下さい ・二週間経っても前話のしおり数を超えない、最新話のしおり数が五に満たない、その他これ以上参考にならないと判断した場合、あるいは運営に怒られた場合はこの更新方法は中止します。その後の更新をどうするかは未定です ・内容的にはいつものです ・一応完結しているシロモノですが、途中で問題を見つけた場合、上記の条件に関係なく更新停止する可能性があります ・条件を満たさない間に他の話を更新をする可能性があります  本編以外はセルフパロディです。本編のイメージ及び設定を著しく損なう可能性があります。ご了承ください。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

魔王様は転生王女を溺愛したい

みおな
恋愛
 私はローズマリー・サフィロスとして、転生した。サフィロス王家の第2王女として。  私を愛してくださるお兄様たちやお姉様、申し訳ございません。私、魔王陛下の溺愛を受けているようです。 *****  タイトル、キャラの名前、年齢等改めて書き始めます。  よろしくお願いします。

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

処理中です...