乙女ゲームの正しい進め方

みおな

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 魔法に興味津々な顔をしていたら、十歳になるまでは絶対に駄目だと釘を刺された。

 がーん。こっそりと生活魔法くらいできるようになって、驚かそうと思っていたのに。

 どうやら、魔力が落ち着く前に魔法を使うと、暴走とかすることがあるらしい。

 お母様に絶対にしないでね、と涙ながらに言われたので、我慢・・・かなぁ。

 とりあえずは、ご飯事情の方の改善かなぁとも思う。

 王族のご飯って、基本冷めてる。
作られたあと、毒味とかされるから仕方ないんだろうけど、やっぱり温かいスープやご飯が食べたい。

 せっかく美味しいのにな。
温かかったら、もっと美味しいと思う。

 魔法で、毒が入ってるかとか分からないのかな。もしくは入ってても無毒化できるとか。

 とかいう疑問をぶつけてみたよ、エルム兄様に。

 お母様に言ったら、魔法は駄目よと泣かれそうだからね。

「魔法で毒検知か、無力化か」

「難しいですか?」

「難しいというか、聞いたことがないな。アイリスは、どうしてそんなことを考えついたんだい?」

 なるほど?
冷たいご飯が当たり前だから、疑問にすら思わなかったということかな?

「温かいスープが飲みたいのです」

 私のこの言葉は、王宮を巻き込んだ大騒動になった。

 まず、お父様お母様に報告された。
次に、厨房のシェフをはじめとする全員で、どうすれば温かい食事が出せるのか会議になった。
 次に、魔法師さんたち総動員で、どうすれば毒を検知できるのかとか、無毒化魔法の開発が始まった。

 え、と・・・
そんな大事になる?

 平民の皆さんは、温かいご飯を食べられる。まぁ、平民を暗殺する必要性ないからね。

 でも、王族や高位貴族は、どうしてもそんな危険が付き纏う。

 だから、無理です~って言われたら、仕方ないかと諦めるつもりだった。

 ただ、どうせ魔法の勉強するんだから、ついでにそういう魔法ないか研究してもいいかな、って思っただけなんだよ。

 前世で温かいご飯を食べてた私からすると、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく食べるのが美味しいし、ご飯が美味しいのって、結構大事だと思うんだよね。

 で、もう高位貴族まで巻き込んでの大事になったあげく、出来ましたよ!毒検知の魔法。

 いやぁ、魔法師の皆さん大変だったよね。ごめんね、私が我儘言ったせいで。

 でも、新しい魔法とか開発するのって、大事なことなんだって。
 次は毒の無効化魔法の研究らしい。
うん。毒蛇や毒蜘蛛がいるのかわからないけど、無効化使えると助かる命もあると思う。

 その夜からのご飯はとても温かくて、美味しかった。
 お父様たちも感激してたよ。やったね!


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