42 / 104
モブ、訪問する。
しおりを挟む
「「まぁぁぁぁ!!可愛いぃぃぃ!!」」
イレーヌとカレリアの歓喜の声に、エリルが驚いたのか、私の腰にしがみついた。
「イレーヌ様、カレリア様。エリル様が怯えてしまいますわよ」
苦笑しながらそう言ってくれるのは、エリーゼだ。
今日は、イレーヌに前々から誘われていた、レジスタ公爵家でのお茶会である。
絶対に、エリルを連れて来て欲しいと言われて、エリルはまだ7歳だから、礼儀作法も習っている途中だからと断ったんだけど、気にしないで良いからと強引に頷かされてしまった。
というわけで、エリル共々、レジスタ公爵家にお邪魔したわけだが、そうしたら、カレリアにエリーゼまでいた。
ちなみに、ヴェルハルトにエドワード、カイルまでもいた。は?なんで?
いや。おかしくないのかな。
最近のヴェルハルトは、イレーヌラブ♡って感じだし、エドワードは元々カレリアにべったりだったし。
ただ男性陣は「今日は女性だけのお茶会ですわ」というイレーヌの一言で、部屋から出されてしまってたけど。
それに悲しそうな顔をしてたヴェルハルトとエドワードは、カイルに何か言われて、何故かシキまで連れてどこかへ行ってしまった。
どうしてシキまで連れて行くの?
シキは、私とエリルを送ってきた後、馬車で待っていたのに。
シキは私の婚約者だけど、貴族じゃない。
今のヴェルハルトやエドワード、カイルがシキを迫害するとは思わないけど、彼らに反論できない立場のシキのことが心配になってしまう。
「大丈夫ですわ、アイル様。カイルが皆様に少し大事な話があるんですって」
私がよほど不安そうな顔をしていたのか、エリーゼがそう言って微笑んでくれた。
そんなに顔に出てたのかな。
やっぱり、貴族令嬢として私はまだまだちゃんと出来てないな。
「エリルちゃん、でしたわよね?お菓子はどんなのがお好きかしら?紅茶はまだ早いですわよね、ミルク?」
「・・・お姉様」
「エリル。イレーヌ様にお答えして?私の自慢の賢いエリルならできるわよね?」
別にイレーヌを怖いわけではないだろうけど、他家の人間と触れ合う機会のないエリルである。
どうしたらいいのかわからないのだろう。
「うん。エリル出来ます。あの・・・イレーヌお姉様。私は、苺のケーキが好きです。あと、アイルお姉様の作ってくれたクッキーも大好きです。アイルお姉様の作ってくれるお菓子は全部、全部、大好きです」
ああ!
うちの妹、本当に可愛い。
私の作ったお菓子が大好きなんて。
帰ったら早速作ってあげなきゃ。
イレーヌとカレリアの歓喜の声に、エリルが驚いたのか、私の腰にしがみついた。
「イレーヌ様、カレリア様。エリル様が怯えてしまいますわよ」
苦笑しながらそう言ってくれるのは、エリーゼだ。
今日は、イレーヌに前々から誘われていた、レジスタ公爵家でのお茶会である。
絶対に、エリルを連れて来て欲しいと言われて、エリルはまだ7歳だから、礼儀作法も習っている途中だからと断ったんだけど、気にしないで良いからと強引に頷かされてしまった。
というわけで、エリル共々、レジスタ公爵家にお邪魔したわけだが、そうしたら、カレリアにエリーゼまでいた。
ちなみに、ヴェルハルトにエドワード、カイルまでもいた。は?なんで?
いや。おかしくないのかな。
最近のヴェルハルトは、イレーヌラブ♡って感じだし、エドワードは元々カレリアにべったりだったし。
ただ男性陣は「今日は女性だけのお茶会ですわ」というイレーヌの一言で、部屋から出されてしまってたけど。
それに悲しそうな顔をしてたヴェルハルトとエドワードは、カイルに何か言われて、何故かシキまで連れてどこかへ行ってしまった。
どうしてシキまで連れて行くの?
シキは、私とエリルを送ってきた後、馬車で待っていたのに。
シキは私の婚約者だけど、貴族じゃない。
今のヴェルハルトやエドワード、カイルがシキを迫害するとは思わないけど、彼らに反論できない立場のシキのことが心配になってしまう。
「大丈夫ですわ、アイル様。カイルが皆様に少し大事な話があるんですって」
私がよほど不安そうな顔をしていたのか、エリーゼがそう言って微笑んでくれた。
そんなに顔に出てたのかな。
やっぱり、貴族令嬢として私はまだまだちゃんと出来てないな。
「エリルちゃん、でしたわよね?お菓子はどんなのがお好きかしら?紅茶はまだ早いですわよね、ミルク?」
「・・・お姉様」
「エリル。イレーヌ様にお答えして?私の自慢の賢いエリルならできるわよね?」
別にイレーヌを怖いわけではないだろうけど、他家の人間と触れ合う機会のないエリルである。
どうしたらいいのかわからないのだろう。
「うん。エリル出来ます。あの・・・イレーヌお姉様。私は、苺のケーキが好きです。あと、アイルお姉様の作ってくれたクッキーも大好きです。アイルお姉様の作ってくれるお菓子は全部、全部、大好きです」
ああ!
うちの妹、本当に可愛い。
私の作ったお菓子が大好きなんて。
帰ったら早速作ってあげなきゃ。
17
お気に入りに追加
702
あなたにおすすめの小説
申し訳ないけど、悪役令嬢から足を洗らわせてもらうよ!
甘寧
恋愛
この世界が小説の世界だと気づいたのは、5歳の頃だった。
その日、二つ年上の兄と水遊びをしていて、足を滑らせ溺れた。
その拍子に前世の記憶が凄まじい勢いで頭に入ってきた。
前世の私は東雲菜知という名の、極道だった。
父親の後を継ぎ、東雲組の頭として奮闘していたところ、組同士の抗争に巻き込まれ32年の生涯を終えた。
そしてここは、その当時読んでいた小説「愛は貴方のために~カナリヤが望む愛のカタチ~」の世界らしい。
組の頭が恋愛小説を読んでるなんてバレないよう、コソコソ隠れて読んだものだ。
この小説の中のミレーナは、とんだ悪役令嬢で学園に入学すると、皆に好かれているヒロインのカナリヤを妬み、とことん虐め、傷ものにさせようと刺客を送り込むなど、非道の限りを尽くし断罪され死刑にされる。
その悪役令嬢、ミレーナ・セルヴィロが今の私だ。
──カタギの人間に手を出しちゃ、いけないねぇ。
昔の記憶が戻った以上、原作のようにはさせない。
原作を無理やり変えるんだ、もしかしたらヒロインがハッピーエンドにならないかもしれない。
それでも、私は悪役令嬢から足を洗う。
小説家になろうでも連載してます。
※短編予定でしたが、長編に変更します。
転生したらただの女子生徒Aでしたが、何故か攻略対象の王子様から溺愛されています
平山和人
恋愛
平凡なOLの私はある日、事故にあって死んでしまいました。目が覚めるとそこは知らない天井、どうやら私は転生したみたいです。
生前そういう小説を読みまくっていたので、悪役令嬢に転生したと思いましたが、実際はストーリーに関わらないただの女子生徒Aでした。
絶望した私は地味に生きることを決意しましたが、なぜか攻略対象の王子様や悪役令嬢、更にヒロインにまで溺愛される羽目に。
しかも、私が聖女であることも判明し、国を揺るがす一大事に。果たして、私はモブらしく地味に生きていけるのでしょうか!?
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
不機嫌な悪役令嬢〜王子は最強の悪役令嬢を溺愛する?〜
晴行
恋愛
乙女ゲームの貴族令嬢リリアーナに転生したわたしは、大きな屋敷の小さな部屋の中で窓のそばに腰掛けてため息ばかり。
見目麗しく深窓の令嬢なんて噂されるほどには容姿が優れているらしいけど、わたしは知っている。
これは主人公であるアリシアの物語。
わたしはその当て馬にされるだけの、悪役令嬢リリアーナでしかない。
窓の外を眺めて、次の転生は鳥になりたいと真剣に考えているの。
「つまらないわ」
わたしはいつも不機嫌。
どんなに努力しても運命が変えられないのなら、わたしがこの世界に転生した意味がない。
あーあ、もうやめた。
なにか他のことをしよう。お料理とか、お裁縫とか、魔法がある世界だからそれを勉強してもいいわ。
このお屋敷にはなんでも揃っていますし、わたしには才能がありますもの。
仕方がないので、ゲームのストーリーが始まるまで悪役令嬢らしく不機嫌に日々を過ごしましょう。
__それもカイル王子に裏切られて婚約を破棄され、大きな屋敷も貴族の称号もすべてを失い終わりなのだけど。
頑張ったことが全部無駄になるなんて、ほんとうにつまらないわ。
の、はずだったのだけれど。
アリシアが現れても、王子は彼女に興味がない様子。
ストーリーがなかなか始まらない。
これじゃ二人の仲を引き裂く悪役令嬢になれないわ。
カイル王子、間違ってます。わたしはアリシアではないですよ。いつもツンとしている?
それは当たり前です。貴方こそなぜわたしの家にやってくるのですか?
わたしの料理が食べたい? そんなのアリシアに作らせればいいでしょう?
毎日つくれ? ふざけるな。
……カイル王子、そろそろ帰ってくれません?
乙女ゲーのモブデブ令嬢に転生したので平和に過ごしたい
ゆの
恋愛
私は日比谷夏那、18歳。特に優れた所もなく平々凡々で、波風立てずに過ごしたかった私は、特に興味のない乙女ゲームを友人に強引に薦められるがままにプレイした。
だが、その乙女ゲームの各ルートをクリアした翌日に事故にあって亡くなってしまった。
気がつくと、乙女ゲームに1度だけ登場したモブデブ令嬢に転生していた!!特にゲームの影響がない人に転生したことに安堵した私は、ヒロインや攻略対象に関わらず平和に過ごしたいと思います。
だけど、肉やお菓子より断然大好きなフルーツばっかりを食べていたらいつの間にか痩せて、絶世の美女に…?!
平和に過ごしたい令嬢とそれを放って置かない攻略対象達の平和だったり平和じゃなかったりする日々が始まる。
モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~
古里@10/25シーモア発売『王子に婚約
恋愛
前世コミュ障で話し下手な私はゲームの世界に転生できた。しかし、ヒロインにしてほしいと神様に祈ったのに、なんとモブにすらなれなかった。こうなったら仕方がない。せめてゲームの世界が見れるように一生懸命勉強して私は最難関の王立学園に入学した。ヒロインの聖女と王太子、多くのイケメンが出てくるけれど、所詮モブにもなれない私はお呼びではない。コミュ障は相変わらずだし、でも、折角神様がくれたチャンスだ。今世は絶対に恋に生きるのだ。でも色々やろうとするんだけれど、全てから回り、全然うまくいかない。挙句の果てに私が悪役令嬢だと判ってしまった。
でも、聖女は虐めていないわよ。えええ?、反逆者に私の命が狙われるている?ちょっと、それは断罪されてた後じゃないの? そこに剣構えた人が待ち構えているんだけど・・・・まだ死にたくないわよ・・・・。
果たして主人公は生き残れるのか? 恋はかなえられるのか?
ハッピーエンド目指して頑張ります。
小説家になろう、カクヨムでも掲載中です。
転生した悪役令嬢は破滅エンドを避けるため、魔法を極めたらなぜか攻略対象から溺愛されました
平山和人
恋愛
悪役令嬢のクロエは八歳の誕生日の時、ここが前世でプレイしていた乙女ゲーム『聖魔と乙女のレガリア』の世界であることを知る。
クロエに割り振られたのは、主人公を虐め、攻略対象から断罪され、破滅を迎える悪役令嬢としての人生だった。
そんな結末は絶対嫌だとクロエは敵を作らないように立ち回り、魔法を極めて断罪フラグと破滅エンドを回避しようとする。
そうしていると、なぜかクロエは家族を始め、周りの人間から溺愛されるのであった。しかも本来ならば主人公と結ばれるはずの攻略対象からも
深く愛されるクロエ。果たしてクロエの破滅エンドは回避できるのか。
乙女ゲームの悪役令嬢は生れかわる
レラン
恋愛
前世でプレーした。乙女ゲーム内に召喚転生させられた主人公。
すでに危機的状況の悪役令嬢に転生してしまい、ゲームに関わらないようにしていると、まさかのチート発覚!?
私は平穏な暮らしを求めただけだっだのに‥‥ふふふ‥‥‥チートがあるなら最大限活用してやる!!
そう意気込みのやりたい放題の、元悪役令嬢の日常。
⚠︎語彙力崩壊してます⚠︎
⚠︎誤字多発です⚠︎
⚠︎話の内容が薄っぺらです⚠︎
⚠︎ざまぁは、結構後になってしまいます⚠︎
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる