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第36.5話〜カリスタ伯爵夫人視点〜
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わたくしと旦那様の愛娘、エリザベスはどこに出しても恥ずかしくない令嬢ですわ。
我が家は伯爵家と爵位こそ高くはありませんが、現在はクレメンタイン王国の税収の八割を納めるほどの商会を運営しております。
エリザベスはその全てを受け継ぐ娘なのです。
ただ・・・
エリザベスが十歳の頃に、とある出会いがありました。
クシュリナ王国王太子殿下とエリザベスが、想いあったのです。
カリスタ伯爵家の後継であること。
他国の、しかも伯爵家の令嬢であること。
本人ではなく周囲の思惑で、すぐに婚約が成りませんでした。
そのせいで・・・
クレメンタイン王国の王女殿下がクシュリナ王国王太子殿下に一目惚れをして・・・
結果として、クシュリナ王国の王太子殿下は、クレメンタイン王国の王女殿下と婚約いたしました。
あの頃のエリザベスは、悲しんでいることを私たちに悟らせないように、笑顔で元気に振る舞っておりましたが、夜中にベッドの中で泣いていたと、侍女のミリアが言っておりました。
どれだけお互いが想いあっていても、お相手は一国の王太子殿下です。
自分の想いよりも、国のことを選んでも仕方がありません。
当時は今ほど商会も手広く運営しておりませんでしたし、伯爵令嬢よりも王女殿下を選んでも仕方のないことです。
ですが、それが王女の恋を叶えようとしたクレメンタイン王国の国王陛下と王妃殿下の嘘が発端だったと知り・・・
それからわたくしたちは、商会の勢力を増すことに力を注ぎました。
商会の本店は名前を変えて他国に移し、我が家がいなくなれば立ち行かなくなるように税収を増やし続けました。
エリザベスが十三歳の時に結ばれた婚約は、ブレンディ侯爵家からの融資の礼として嫡男を差し出す、ということでしたが、どう見ても要らない物をうちに押し付けたとしか思えませんわ。
うちを伯爵家だと格下だと見下し、嫡男で侯爵家を継げるはずだった自分の未来を奪ったと、エリザベスが望んだせいだと訳のわからないことを言い、全く婚約者としての役割を果たさないゴミでしたわ。
しかもあのゴミ、王女殿下の近衛騎士になり、常に王女殿下に侍っておりますのよ。
王家といい、ブレンディ侯爵家といい、どれだけうちを馬鹿にすれば気が済むのかしら。
最初こそは、婚約者として務めを果たそうとしていたエリザベスも、早々に見切りをつけ、婚約解消に向けて証拠集めを始めたようです。
それでも!
可愛い娘を馬鹿にした侯爵家と王家を、このまま見逃してなどあげませんわ。
我が家は伯爵家と爵位こそ高くはありませんが、現在はクレメンタイン王国の税収の八割を納めるほどの商会を運営しております。
エリザベスはその全てを受け継ぐ娘なのです。
ただ・・・
エリザベスが十歳の頃に、とある出会いがありました。
クシュリナ王国王太子殿下とエリザベスが、想いあったのです。
カリスタ伯爵家の後継であること。
他国の、しかも伯爵家の令嬢であること。
本人ではなく周囲の思惑で、すぐに婚約が成りませんでした。
そのせいで・・・
クレメンタイン王国の王女殿下がクシュリナ王国王太子殿下に一目惚れをして・・・
結果として、クシュリナ王国の王太子殿下は、クレメンタイン王国の王女殿下と婚約いたしました。
あの頃のエリザベスは、悲しんでいることを私たちに悟らせないように、笑顔で元気に振る舞っておりましたが、夜中にベッドの中で泣いていたと、侍女のミリアが言っておりました。
どれだけお互いが想いあっていても、お相手は一国の王太子殿下です。
自分の想いよりも、国のことを選んでも仕方がありません。
当時は今ほど商会も手広く運営しておりませんでしたし、伯爵令嬢よりも王女殿下を選んでも仕方のないことです。
ですが、それが王女の恋を叶えようとしたクレメンタイン王国の国王陛下と王妃殿下の嘘が発端だったと知り・・・
それからわたくしたちは、商会の勢力を増すことに力を注ぎました。
商会の本店は名前を変えて他国に移し、我が家がいなくなれば立ち行かなくなるように税収を増やし続けました。
エリザベスが十三歳の時に結ばれた婚約は、ブレンディ侯爵家からの融資の礼として嫡男を差し出す、ということでしたが、どう見ても要らない物をうちに押し付けたとしか思えませんわ。
うちを伯爵家だと格下だと見下し、嫡男で侯爵家を継げるはずだった自分の未来を奪ったと、エリザベスが望んだせいだと訳のわからないことを言い、全く婚約者としての役割を果たさないゴミでしたわ。
しかもあのゴミ、王女殿下の近衛騎士になり、常に王女殿下に侍っておりますのよ。
王家といい、ブレンディ侯爵家といい、どれだけうちを馬鹿にすれば気が済むのかしら。
最初こそは、婚約者として務めを果たそうとしていたエリザベスも、早々に見切りをつけ、婚約解消に向けて証拠集めを始めたようです。
それでも!
可愛い娘を馬鹿にした侯爵家と王家を、このまま見逃してなどあげませんわ。
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