はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

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第33.5話〜作者?視点〜

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「はぁ。あの阿婆擦れにはうんざり」

「よく知りもしない相手を運命だとか言えるよね」

 サラサラとした黒髪に黒い瞳の双子は、お互いの額をくっつけると、クスクスと笑う。

「「だけど、アルバート様の邪魔をしたアイツらに仕返しできるのは楽しい(ね)(な)」

 令嬢の名前は、セイラ。
セイラ・フォールス。

 そして目の前でクスクスと笑う双子の兄は、セイン・フォールス。

 彼らはクシュリナ王国で生まれて、王太子殿下と未来の王太子妃殿下付きになるべく育てられた。

 双子の主人のアルバートは、とても為政者としても人としても優れていて、その上容姿も優れているからほとんどの女性を虜にしてしまう。

 あれは、魔性というのだと双子は思っていた。

 そして双子の兄も、ある意味魔性だとセイラは思う。

「いや、セイラは人のこと言えないでしょ?ファンクラブもあるくせに」

「セインにだってあるじゃない。というか、アレで王族だなんてあり得ないと思わない?」

「それを言うならアレで侯爵家の嫡男だったって、しかも現在王女の専属騎士だなんて。世も末」

「「でもっ!エリザベス・カリスタ様は(可愛らしい)(お美しい)方だったね~」」

 双子は表情豊かに、お互い寄り添いながらクスクスと笑う。

 自分たちの主人であるアルバートが望んでいた、クレメンタイン王国カリスタ伯爵家の令嬢エリザベスと婚約が、後一歩というところで頓挫した。

 そして結ばれたのが、クレメンタイン王国王女ドロシーとの婚約。

 アルバートはエリザベスが婚約ならばと、ドロシー王女との婚約を受け入れた。

 だが、それはアルバートに一目惚れした王女の願いを叶えるために仕組まれた嘘。

 それでも。
それでも二人は、政略結婚の意味を正しく理解し、婚約者との仲を構築しようとした。

 だが、エリザベスの婚約者は常にドロシー王女と共にいて、エリザベスを蔑ろにしている。

 そしてまたドロシーも、王太子妃になるに

 そこで、アルバートはクレメンタイン王国王弟殿下の手を借りて、双子の遠縁の親戚の子供として双子を二人に近づけることにした。

 見目麗しい、優しい風貌の令息を好むドロシー。

 可愛らしく小柄で庇護欲をかき立てる令嬢が好みのブレンディ侯爵令息。

 それぞれが絶対に惹かれる相手を、双子はクスクス笑う。

「もうすぐね」

「もうすぐだね」

 クスクス。クスクス。

 双子は、自分たちのにたどり着かない人間に、全く興味を持たない。

 たどり着いたのは、アルバートだけ。

 なら、そのアルバートの願いを叶えることが、双子にとって最重要案件だった。
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