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15歳

96ページ:魔王は一体何人?

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「うるさいです!誰が誰を飼うなんてふざけたことを言っているんです?」

 久々に怒りのボルテージが上がってる気がする。
 魔王がマズルやアル兄様を操って、お父様たちに危害を加えようとした時以来だ。

 怒りのあまり、そのままハーピー魔族にを投げつけた。

『!?』

 言葉を発する間もなく、ハーピー魔族はその場から消えた。

 その突然の出来事に、ドラゴン魔族と山羊頭魔族は、呆然と、ハーピー魔族がいた空間を凝視している。

 あれ?
私、今文句を言っただけだよね?
魔法を放ったりしてないよね?

 ノワールの腕に抱かれたまま、そぉっと魔力値を測る。

「・・・・・・」

 おかしい。
セイクレッドたちの魔力は700くらいだから、前よりちょっと上がったかな~くらいだ。
 だから、ハーピー魔族とドラゴン魔族の500よりは強い。

 山羊頭は覚醒前の魔王くらいで1000ちょいあるから、セイクレッドたちも負けはしないけど、勝てもしなかったんだと思う。

 でも、ノワールの魔力値が1500とかになってるんだけど?
あれ?以前はセイクレッドたちと大差なかったのに。

『私は、マ・・・シエル様と番になりました故、その恩恵で魔力が上がっております』

 ・・・相変わらず、考えてることを読まれてしまう。
 そんなに顔に出てるかなぁ。

 でも、そっか。
私と婚姻したから、ノワールの魔力値上がったんだ。

 なんか、わざわざ来なくても、ノワールだけで倒せそうだったかも。
 いや。来るために指輪をしたから、魔力値が上がったわけで・・・

 ま、いっか。
どっちにしろ、倒さなきゃならないなら、さっさと倒せば。

『なんだ?一体、貴様、何をした?』

「さあ?あんまりにもふざけたことを言ってたので、神の怒りにでも触れたんじゃないですか?」

『はっ!神だと?そんなもの、我らが魔王様がお戻りになれば、蹴散らしてくれる。さぁ!精霊どもよ。我らが魔王様をどこへ隠した?この国ごと滅ぼされたくなければ、正直に答えろ!」

 山羊頭が、随分と上から目線でものを言ってくるけど、いや、なんかもうノワールにも勝てないと思うよ?

 もしも、魔王が生きてたとしても、負ける気がしないというか、魔王って1人というか1体だよね?何人もいたりする?

『大丈夫です。魔王は1体です。もっとも死ねば新たな魔王がいずれ誕生しますが、シエル様なら負けませんよ』

 え?倒しても新たなのが誕生するの?
それって、キリなくない?

『魔王が常に、人間や精霊に敵対するとは限りません。友好的な者もかつてはいたと聞きます』

 なるほど。とりあえずは、今はこの精霊の国に害を及ぼしそうなのは、目の前の2人だけだということね。

 
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